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通勤復活で「超満員」再び?鉄道混雑率ランキング 2023年度・100%以上の全国143区間を独自集計

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 7時30分

混雑率が100%以上、つまり列車の定員を上回っているのは237区間のうち143区間で、2022年度に比べて17区間増加した。

輸送人員が示す「通勤」復活

以前は首都圏の「通勤の大動脈」が並んでいたワースト上位路線。コロナ禍以降は多少の利用者数の増減に混雑率のパーセンテージが大きく左右される、輸送力の小さい路線が目立つようになった。1位の日暮里・舎人ライナー、2位の広島電鉄宮島線、5位の西鉄貝塚線がこれに当たる。

日暮里・舎人ライナーは小型のゴムタイヤ式電車5両編成で運行する新交通システム。コロナ禍前から全国有数の混雑路線で、2016年度以降はワースト5の常連だ。ピーク時1時間当たりの輸送人員は2022年度比約800人増の8187人。これに対し輸送力はわずか17人分増の4788人分で、混雑率は16ポイント上昇して171%となった。

5位の西鉄貝塚線は2両編成の電車が走る福岡の郊外路線。ピーク時1時間当たりの輸送力は長らく2両×6本の1488人分で変化がない一方、輸送人員は2022年度比で70人増え、混雑率は154%から158%に悪化した。2022年度はワースト2位だったが、他線の混雑率上昇が上回ったためランキングでは5位に下がった。

一方、輸送力のアップを利用者数の増加が上回ったのが2位の広島電鉄宮島線(2号線)だ。広島市内中心部に直通する路面電車タイプの車両が使われており、輸送力は2022年度より300人分増えているものの、輸送人員は1000人以上増加した。コロナ禍前の2019年度データと比べても約1900人増えているが、これは「データの取り方が違うので比較はできない」(広島電鉄)という。

輸送人員が大幅に増えたのは、3位の東京メトロ日比谷線・三ノ輪→入谷間も同様だ。ピーク時1時間当たりの輸送人員は4万5271人で、2022年度よりも約7500人増加。2019年度比でも約2200人増えた。

2022年度と比較して輸送人員が3000人以上増えたのは26区間で、最多はJR常磐線各駅停車・亀有→綾瀬間の7660人。ほかにはJR京浜東北線、JR総武線快速、小田急小田原線、JR中央線快速、東京メトロ東西線など、かつての混雑率ワースト上位路線が並ぶ。混雑率は以前より低いが、オフィスへの出勤が再び増えつつあることを示しているといえるだろう。

測定区間が異なるケースを含めれば、最も輸送人員が増えたのは相模鉄道(相鉄)本線だ。2022年度、同線の最混雑区間は平沼橋→横浜間で輸送人員は3万3766人だったが、2023年度の最混雑区間は鶴ヶ峰→西谷間に変わり、輸送人員は4万2406人へ約8600人増えた。2023年3月に西谷から新横浜を経て東急線に直通する相鉄新横浜線が開業した影響とみられる。

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