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同じ男性に「3度プロポーズさせた」女性の言い分 100万円の婚約指輪を差し出されてもムリ

東洋経済オンライン / 2024年8月10日 10時0分

奈緒さんがプロポーズにこだわった背景の1つに、結婚相談所の場合は「告白」がないことがあります。相談所の多くのカップルは「好きです」と互いの気持ちを確かめあわないまま、プロポーズまで進みます。最後のプロポーズがいわゆる告白にあたるわけです。ですからプロポーズを重視する傾向があります。

また、プロポーズは婚活をしている男女にとっての「夢」でもあります。プロポーズ、エンゲージリング、結婚式。この3つに憧れて婚活を続けてきた。令和の今の時代でも、理想通りのプロポーズをしてほしい(したい)という希望を抱いている人は少なくありません。

プロポーズは、婚活の集大成であり、お互いにとっての“卒業試験”でもあるのです。逆に言えば、それまで順調でも、プロポーズがそれぞれの希望に合わないと破談になるケースも多くあります。

ですから、結婚相談所では、内々で男女それぞれが希望するプロポーズのシチュエーションをあらかじめ詳しく教えてもらいます。具体的には、真剣交際に入った段階で男性側・女性側それぞれのアドバイザーが「ご希望のプロポーズのシチュエーションをお教えください」と希望を聞き出します。海が見えるところ、東京タワーが見えるところ、おしゃれなレストラン、夜景を見ながら⋯⋯など、こだわりはさまざま。それをできる限り叶えようとするのです。

水中でプロポーズしてほしいという女性もいました。彼女の趣味はダイビング。しかし、男性はダイビング未経験者のため「怖いから無理」と断られてしまいました。「フラッシュモブで大勢の人に祝福してもらいながらプロポーズされたい」という女性も。

男性が恥ずかしがって断ったので、代わりにレストランの人に「本日はこちらのテーブルの方がプロポーズされます」とマイクでアナウンスしてもらいました。それも男性は相当恥ずかしがっていましたが、かろうじてOKして実行しました。

カップルでエンゲージリングを買いに行き、店員さんに「どうぞ指につけてご覧になってください」と言われて、男性がすかさず自分の指にはめて破談になったこともありました。結婚指輪と違い、エンゲージリングは基本的に女性がつけるものです。

その男性は自分用に薦められたと捉えてしまい、女性そっちのけで、自分の指にキラキラ輝くダイヤをながめていました。女性は相当恥ずかしかったようです。

チャペルでプロポーズしたかった男性

男性でそこまでプロポーズにこだわる人はあまりいませんが、1人だけ「レストランに隣接しているチャペルでひざまずいてプロポーズしたい」と希望した男性がいました。エンゲージリングはオーダーしたものの時間がかかるので、まずは高級ブランドのキーケースを購入して、その中に自分のマンションのカギを入れたものを用意。

これを実現させたいと準備していたため、彼女が目標としていた「3カ月以内でのプロポーズ」が叶いませんでした。そんな事情は知らず、女性は「プロポーズに進まないから交際終了したい」と憤慨。

なんとかなだめて、彼に急ぐように電話をしたら出張中。代わりに彼の母親が、彼の署名入りの婚姻届を持参され、「いつでも提出してください。そして息子が出張から帰ってきたら改めてプロポーズさせていただきます」とおっしゃるという、前代未聞の事態になったこともありました。

植草 美幸:恋愛・婚活アドバイザー、結婚相談所マリーミー代表

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