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中高年リスキリングを待ち受ける「3つのリスク」 定年後、ホワイトカラーの仕事に就けるのか?

東洋経済オンライン / 2024年8月12日 10時0分

少し古い調査ですが、2018年に経済産業省が発表したレポートには、2025年以降にIT人材不足が大きな経済損失を引き起こす可能性があるという予測が出ていました(いわゆる「2025年の崖」)。

加えて、みずほ情報総研による2019年の調査では、2030年には約79万人(高位シナリオ)のIT人材が不足すると試算されていました。これはChatGPTなどの生成AIがリリースされる前のものでしたので、ここ数年間の実際の動きについては今後注意が必要だと思います。

一方で、依然として全世界的にIT人材の給与は高騰している状態です。

日本でも、人材紹介会社のマイケル・ペイジが発表した2022年の年収調査によると、外資系に転職をしたIT分野の平均年収は1113万8000円でした。日本全国の平均年収408万円と比較すると際立って高いといえます。

ただ、残念ながら諸外国と比較すると、日本のデジタル分野の給与は相対的にかなり低い状態が続いています。

また、総合人材サービス会社のヒューマンリソシアによると、2023年のITエンジニアの給与トップは、スイスで10万2839ドル、2位はアメリカで9万2378ドル、日本は3万6061ドルで、なんと26位です。同じ仕事をするにしても、日本では給与がスイスやアメリカの4割以下ということになります。

リスキリングに早くから取り組み、デジタル分野でキャリアを積むことができれば、定年後にも、人材不足のデジタル業界で高賃金を得ながら活躍できるチャンスが広がる可能性があると考えられます。

特に、デジタル分野の仕事はリモートワークとの相性もよく、働き方も自由に選べるのではないかと思います。また、個人事業主(フリーランス)として活躍できるレベルになれば、複数の案件を抱えることも可能であり、選択肢を広げることができます。

リスキリングに真剣に取り組むことが条件ではありますが、デジタル分野については、今後、年齢不問のスキルで勝負できる分野となっていくと考えられます。

人材不足の分野で働くための準備

一方で、現時点でも人材が不足している分野は、定年後のキャリアとして今後積極的に検討すべき選択肢ではないかと思います。

また、社会全体としても、人材が不足して困っている分野への「必要とされる」労働移動となります。慢性的な人手不足が課題となっている介護分野などで働くためのリスキリングはまさに求められている、といえます。

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