「涙が出てくる」韓国人絶賛した日本人歌手の正体 テレビでJ-POPが放送されるようになった背景
東洋経済オンライン / 2024年8月12日 10時0分
『日韓歌王戦』はケーブルテレビにもかかわらず平均視聴率10.1%、最高視聴率11%を記録する大ヒット番組となり、「MBN」開局以来初の2桁台をたたき出した。現在は後続番組『日韓トップテンショー』が放映中で、審査員として出演した松崎しげるの「愛のメモリー」も人気となり、公式YouTubeでの再生回数は100万回を超えた。
日本では無名だった日本人歌手7人は韓国の芸能事務所と契約を交わし、住田愛子さんは、韓国の人気歌手キム・ダヒョンと「Lucky パンパン」で韓国デビューも飾っている。
実は、『日韓歌王戦』の放映が始まった時、業界では視聴者の反応を心配する声もあがっていたという。ベテランの芸能担当記者の話。
「Z世代では『YOASOBI』などのJ-POPに人気が集まっていますが、それをお茶の間に放映するというのはかなり冒険だなあと思っていました。視聴率も低調におわるだろうとこの実験を見守っていたのですが、いざ放映されたら想像を超える人気に驚きました。
これは、日本の歌手たちが、歌がうまいのはいうまでもありませんが、韓国の歌手のようなテクニックで歌うのではなく、純粋に歌が好きで、歌に真摯な姿に韓国の視聴者が感動を覚えたのだと思います。そして、中高年層が若い頃に聞いていた80年代の日本の曲が多かったのも視聴者の思い出をくすぐったのではないでしょうか」
「スラダン」から日本コンテンツ人気続く
日本のエンタメ人気が韓国で目に見えて急浮上したのは昨年からだ。映画『THE FIRST SLAM DUNK』が空前の大ヒットとなり、その人気は同時代に漫画のファンだった中高年世代からZ世代へと広まった。主題歌を歌った「10-FEET」の人気も上昇し、韓国でコンサートも開くまでに。
映画が大ヒットしていた2月には、TikTokなどのショート動画から人気が上がっていたシンガーソングライターの「imase」の「NIGHT DANCER」が韓国最大のサブスクリプションサービスチャート「Melon」でトップ20入りした。
そして、圧倒的な人気となったのは、2人組のユニット「YOASOBI」だ。アニメ『推しの子』の主題歌「アイドル」をK-POPスターがショート動画で紹介すると、ファン層はコアから一般へと一気に広がった。昨年12月に行われた「YOASOBI」のコンサートは発売後1分で完売している。
ただ、このあたりまではSNSに慣れ親しんでいるZ世代限定の話とされてきた。それが、ケーブルテレビとはいえ、日本の歌が日本語のままお茶の間に披露されて人気になったことは、韓国では「驚きの出来事」だった。
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