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JR西「人型重機」の人機一体、2足歩行ロボで新展開 「マクロス」の河森正治氏デザイン、変形機能も

東洋経済オンライン / 2024年8月12日 7時30分

川重は1969年に国産初の産業ロボットを発表した産業ロボットの老舗。2015年には人間と同じ生産ラインで細やかな作業に従事できる双腕の協働ロボット、2017年には熟練技術者の微妙な動作を再現することができるロボットシステムを開発している。Kaleidoの開発は2014年に着手、2023年に第8世代を開発し、そのハードウェアを人機一体に提供した。

零一式カレイドは昨年12月に都内で開催された「国際ロボット展」でお披露目されており、今回が初めてではない。しかし、国際ロボット展では上半身のみの操作デモンストレーションだったが、今回は全身を動かした。下半身の操縦も上半身と同じく、操縦桿を通して行われる。右足の操縦桿をあげると、ロボットも右足をあげる。

今回の報告会では直前に一方の足首のモーターが焼けてしまったということで、事前収録のビデオで零一式カレイドが歩く様子が公開された。よちよち歩きのような状態で、Kaleido、あるいはホンダが開発した「ASIMO(アシモ)」と比べると、はるかに動きは劣る。

しかし、この理由は歩行ロボットが歩行アルゴリズムを使って歩くのに対して、零一式カレイドは零式人機と同様、人間がロボットの右足と左足を操作しているため。ただ、その裏側でコンピューターは人間の操作を支援している。

たとえば、「操作者は好きなようにロボットの足を操作するが、コンピューターがこっそり支援して、転倒しないようにバランスを取っている」。このため、操作者は転倒の心配をすることなく作業に集中できる。

人間との共同作業で「はしごを上れる」

報告会の壇上では、片足で立っている零一式カレイドを押したり引っ張ったりしても、体を傾けることでバランスを保って倒れないといったデモンストレーションが行われた。金岡氏はこう話す。

「歩行アルゴリズムのみで動くロボットと比べ、人間が操作する分だけ汎用性は高い。歩行アルゴリズムでははしごを上ることができないが、人間との共同作業ならはしごを上れるようになる」

まだまだ未熟だが、5年以内の社会実装を目指しており、すでに大手電力系企業からも引き合いがあるという。期待されているのは作業員が感電する危険を伴う活線作業(停電させず電圧をかけて電流を流した状態で行う配電線の点検や補修などの作業)。電力供給を止めると周囲の電力利用者が不便を被る。この作業をロボットに置き換えれば、作業員の安全が保たれ、利用者に迷惑がかかることもない。

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