多くの大人が決して言わない「残酷なお金」の現実 「手取りはすべて使い切り、職業はこう選べ」
東洋経済オンライン / 2024年8月13日 18時0分
インフレで初任給が上がっていますが、若者が給料の額で仕事を決めてしまうことに渋い顔をする大人も少なくありません。
テレビドラマにもなった『泣くな研修医』の原作者で外科医の中山祐次郎さんは、「お金で買える幸せは確実に存在する」と断言します。新米外科医時代の失敗から得た教訓を本音で書き記した中山さんの新刊『医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵』より、「お金の本当の話」と自身の初任給の使い方を一部引用・再編集してお届けします。
手取り20万円の使い道
お金の話をしよう。
研修医の間、僕は全然お金がなかった。
いただいていた額は決して少なくはなかったが、結婚式に行ったり高額な教科書(医師向けの教科書は平気で一冊1万円する)を遠慮なく買ったりしたせいで、2年間の研修医生活が終わった時に僕は借金を抱えていた。
それからちょっとずつ給料は増えたが、僕は相変わらず使い続けていたので、なんと35歳で結婚する時に貯金がゼロだったのだ。信じられないかもしれないが、本当だ。
でもこれには理由がある。僕は、貯金はゼロだったが、お金を「自己投資」していた。僕が医者になって3年目から9年目までの間、世の同世代の医者の年収の半分の額しか病院からもらわなかった。だが、僕は授業料だと思っていた。世界トップレベルの外科医から手取り足取り手術を教えてもらえるのだ。毎年何百万円を誰かに払っているつもりだった。
いつかきっと取り返せるだろうし、取り返せなくたって何千万円かの支払いで、僕は外科医としての階段を一段飛ばしで駆け上がることができるのだ。それは苦にならなかった。さらに、国際学会に毎年行った。飛行機代と宿泊代を考えても20〜30万円はかかる。それに学会参加費が10万円くらい、現地で飲み食いして10万円くらい。合計50万円くらいを毎年使っていた。国際学会に行くためにはそれ相応の研究成果がなければならないが、上司がかなり面倒を見てくれたので毎年行けた。多い年には年に2回行った。
大変なお金がかかるが、僕はこれも「いろんな国に行ったことがある、そして国際学会で何度も発表したことがある」という自己投資だと考えていた。親しい上司や後輩と行く海外は楽しかったということもある。
自分の技術や知識を向上させるために、お金をどんどん使う。
若いうちは、この自己投資という考え方はとても大切だ。幻冬舎社長の見城徹さんが「35歳までは貯金はいらない」とおっしゃっていた通り、僕は初めての本の出版でいただいたお金(印税という)もすべてすぐに使い切った。見城さんから教えてもらった一流レストランに、大切な友人や彼女(今の奥さんだ)と次々に行き、あっという間にゼロになった。
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