成果を上げるキーエンス流のルールの作り方 目的を明確にするために課題を洗い出す
東洋経済オンライン / 2024年8月14日 13時0分
「営業利益率5割超え」「社員の平均年間給与は2000万円超え」など目覚ましい成果を上げるキーエンス。同社でマネジャーを務めた岩田圭弘氏は、「キーエンスでは“仕組み化”が徹底されています。その仕組み化にはポイントがあるのです」と言います。同氏の新刊『仕組み化がすべて』から一部抜粋、編集してお届けします。
「標準化」の最初のステップは「課題を洗い出す」です。「課題を洗い出す」ことの重要性は、仕組みを作る目的を明確にすることにあります。目的を明確にしておかなければ、適切な仕組みが作れません。また、社員にその仕組みの意義を説明することができません。
「課題を洗い出す」ためには、売上や利益のあるべき理想の姿を明確にして、現状とのギャップを明らかにする必要があります。そして明らかになった課題に優先順位をつけます。
優先順位は、実行可能性と解決した際のインパクトの大きさで決めます。つまり、マネジャーは、自らのチームのあるべき姿を描くことが求められるのです。
ルールの目的を明確にする「課題の洗い出し」
ルールや仕組みを作る際の第一歩は「課題を洗い出す」ことです。なぜこれが重要なのでしょうか。それは、ルールや仕組みを作る目的を明確にするためです。たとえば、社員の出社時間がバラバラで会議の開催が難しいという課題があるとします。この課題を解決するために、全社員の出社時間を統一するルールを作ることになります。つまり、課題を洗い出すことで、ルールや仕組みを作る目的が明確になります。
意味のないルールや仕組みを作っても、まったく価値がありません。特に、社員数が多い会社では、多くの人の行動を制約することになるため、意味のないルールを作ることのデメリットが大きくなります。だからこそ、課題の洗い出しと目的の設定が重要なのです。
また、課題を明確にしておかないと、適切なルールや仕組みを作ることができません。そうなると、かえって大きな損失を招く可能性があります。加えて、ルールや仕組みを作る目的を明確にしておくことで、後々、社員にその意義を説明しやすくなります。社会情勢などの変化に応じてルールを見直す際にも、目的を基準にして判断することができます。
たとえばキーエンスでは、始業時間を朝8時半に設定し、9時までは席を立たないというルールを導入していました。これは、社員に事前準備を徹底させ、稼働時間を最大化するという目的があるからです。
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