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成果を上げるキーエンス流のルールの作り方 目的を明確にするために課題を洗い出す

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 13時0分

読者の皆さんも、まずは自分の業務における理想の姿を定義してみてください。そして、現状とのギャップを分析し、優先順位の高い課題を特定する習慣をつけていきましょう。これが、業務改善と問題解決のための重要なステップとなります。

「インパクト」と「実行可能性」で解決策を見つける

「課題を洗い出す」プロセスにおいて、たとえば営業マネジャーと人事マネジャーのそれぞれの具体例を見ていきましょう。営業マネジャーの場合、主な目標は売上アップであり、現状の数値とあるべき姿のギャップを埋めるための施策を考える必要があります。

たとえば、1億円の売上を1億5000万円に引き上げるためには、顧客との面談数や受注率などの要素を分解し、それぞれの数値目標を設定することが重要です。面談数を300件から400件に増やすことが目標達成に必要であれば、そのギャップを埋める方法を検討しなければなりません。

一方、人事マネジャーの場合は、応募者数と入社決定率に着目します。応募者数を500人から600人に増やすことが求められている場合、そのギャップが課題となります。また、採用コストの削減も重要な課題の一つです。人材紹介会社を利用する場合、年収の35%程度の成功報酬を支払う必要がありますが、社員紹介制度やダイレクトリクルーティングを活用することで、コストを大幅に削減できる可能性があります。

営業マネジャーにとっても、コスト削減は重要な課題です。顧客管理システムや電話システム、ヘッドフォンなどのツールにかかる費用を見直すことで、コスト削減を図ることができるかもしれません。ただし、営業マネジャーがどこまでこうした業務に関与しているかは、会社によって異なります。

課題を洗い出す際に注意すべきポイントは、インパクトの大きさと実行可能性の高さです。課題解決のために新たなルールを設定する場合、浸透させ、実行してもらい、モニタリングするというプロセスが必要となります。そのため、あまりに細かいルールを多数設定するのは避けるべきでしょう。

また、複数の課題を1つのルールで解決できるようなアプローチを見つけることも重要です。たとえば、2社購買のルールを設けることで、コスト削減と品質向上の両方を実現できる可能性があります。

マネジャークラスの人材にとって、あるべき姿を描くことは非常に重要です。会社の経営戦略に基づいて設定された目標を理解し、自らのチームのあるべき姿を明確にすることが求められます。

多くのマネジャーがこの点で課題を抱えているのが現状ですが、日々の業務の中で売上アップやコスト削減につながる施策を意識的に考えることが、課題解決のための第一歩となるでしょう。

課題を洗い出すプロセスは決して簡単ではありませんが、インパクトと実行可能性を重視し、複数の課題を同時に解決できるアプローチを探ることが、効果的な課題解決につながります。

マネジャークラスの人材には、経営戦略を理解し、自らのチームのあるべき姿を描くことが求められているのです。

岩田 圭弘:アスエネ株式会社 共同創業者 兼 取締役COO

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