生命の存在を明らかにする火星サンプルの可能性 世界が注目する火星サンプルリターン計画の内実
東洋経済オンライン / 2024年8月14日 16時30分
地球に戻ってくるサンプルの総量は数百グラム。それを届けるため、ローバー、ランダー、ヘリコプター、ロケット、オービターの5台の宇宙機が、火星から地球までの壮大なリレーを繰り広げるのだ。そして人類がはじめて手にする火星の岩のサンプルから、いったい何が見つかるのだろうか。
たとえバイオシグネチャーが検出されなくても、数限りない科学的成果が得られることは間違いない。だがもし、そこに動かぬ生命の証拠が発見されたら……。
想像してみよう。約40億年前、地球の海に最初の生命が誕生してまもない頃、火星の湖の底にも命が生まれた。それはどのような形をしていたのだろうか。どのような仕組みで生きていたのだろうか。どのように進化したのだろうか。そして、その後の運命はどうなったのだろうか。
火星の過去の生命が発見されれば、地球の生命の起源についても多くのことがわかるかもしれない。地球は地質学的に「生きて」いるから40億年前の記録はほとんど消し去られている。いかにして最初の命が誕生したのか、そしてそれはどのようなものだったのか、ほとんど何もわかっていない。
生命誕生の記録は、火星のほうがよく保存されている可能性がある。つまり、2030年代に地球に届く数百グラムの火星の石の中に、「我々はどこからきたのか」という深淵な問いへの答えの断片が記されているかもしれないのである。
小野 雅裕:NASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)技術者
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