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「虎に翼」モデル"三淵嘉子"大胆すぎるスキー事件 アクティブな嘉子のあだ名は「ムッシュ」だった

東洋経済オンライン / 2024年8月14日 11時0分

『虎に翼』(写真:NHK公式インスタグラムより引用)

NHKの連続テレビ小説『虎に翼』が放送以来、好調をキープしている。毎朝の放送のたびに、SNSでも大きな話題となっているようだ。主人公・佐田寅子(ともこ)のモデルとなっているのが、女性初の弁護士で、女性初の裁判所長となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)である。実際にはどんな人物だったのか。解説を行っていきたい。

紫式部も三淵嘉子も父は同じことをつぶやいた

NHKの連続テレビ小説『虎に翼』には、同時期の放送となった大河ドラマ『光る君へ』と、大きな共通点が1つある。それは、主人公が才女であるということだ。

【写真】嘉子の自宅付近の乃木坂。現在の光景

『光る君へ』の主人公・まひろは、のちに『源氏物語』の作者・紫式部として名を残すことになる。式部は歌才が豊かな藤原兼輔を曽祖父に持ち、自身は漢学者の父・藤原為時のもとで、幼少期から漢学を学んだ。

弟の惟規は漢籍をなかなか覚えられなかったが、 式部はしっかり暗唱していたという。そんな姿を見て父はこうつぶやいたと、式部が自身の日記で書き残している。

「つくづく残念だ。この子が男子でないとは、なんと私は不運なんだろう……」(惜しう。男子にて持たらぬこそ幸ひなかりけれ)

『虎に翼』の主人公・佐田寅子のモデルとなっている三淵嘉子も、やはり子どもの頃から優秀だったようだ。嘉子には4人の弟がいたが、5人兄弟のなかでもっとも優秀だったとして、末弟の武藤泰夫はこう振り返っている。

「とにかくもう、何でもできる人でした。頭の回転も速く言葉も達者で、元気で頼りになります。私たちを引っ張ってくれる存在でした」(『三淵嘉子と家庭裁判所』清永聡編著、日本評論社)

そして紫式部の父と同様に、嘉子の父・貞雄もやはり「この子が男だったらどれだけいいか」と妻のノブとこぼしていたという。

もっとも貞雄は、台湾銀行に勤務するエリートで「男女は平等であるべきだ」という思想の持ち主でもあった。

そんな父の「何か専門の仕事をもつための勉強をしなさい」という言葉に後押しされて、嘉子は法律を学ぶことを決意(過去記事「「虎に翼」のモデル"三淵嘉子"人生支えた父の一言」参照)。明治大学専門部女子部法科(3年制)へと進学を果たす。

「乃木坂スキー事件」で見せたアクティブさ

ドラマ『虎に翼』での伊藤沙莉演じる佐田寅子は、頭がよくて優秀なだけではなく、喜怒哀楽を隠さない人間味あふれる性格で、周囲から親しみを持たれている。

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