マネーフォワードとOlive統合で個人金融が変わる 家計管理と決済の一元化で個人金融体験を刷新
東洋経済オンライン / 2024年8月14日 9時30分
マネーフォワードと三井住友カード(SMCC)は、個人向け金融サービス事業で資本業務提携を行うことで7月17日に合意した。家計管理アプリと総合金融サービスを統合した「オープンなお金のプラットフォーム」の創出を目指すという。
【写真で見る】残高画面でドラッグ・アンド・ドロップで資金を移動できたりと、直感的なユーザーインターフェースを目指しているという
マネーフォワードと三井住友カード、提携の構図
提携の構図は以下のようになる。まず、マネーフォワードの個人向け事業を分社化。その株式の一部をSMCCに譲渡し、さらにSMCCの出資も受けて最終的にマネーフォワード51%:SMCC49%という出資比率の新会社を設立する。SMCCは株式取得と第三者割当増資を通じて計190億円を出資する予定だ。経営陣には両社から役員が就任し、SMCCの大西幸彦社長が会長に、マネーフォワードの辻庸介社長が社長に就く。
新会社は引き続きマネーフォワードの個人向け事業を運営するほか、SMCCの総合金融サービス「Olive」の新機能開発も請け負う。業務開始は2024年12月頃を予定しており、今後、最終契約の締結に向けて詳細な協議が進められる。
マネーフォワードは、2012年に設立されたフィンテック企業で、法人向け会計サービス「マネーフォワードクラウド」や個人向けの家計簿・資産管理アプリ「マネーフォワードME」を提供している。アプリでは銀行口座やクレジットカード、証券口座など多数の金融機関と連携し、ユーザーの資産状況を一元管理できる。
今回の合弁化の対象となる個人向け事業はマネーフォワードの祖業にあたる事業だ。マネーフォワードMEの現在の利用者数は1610万人に達しており、うち55万人が有料課金ユーザー。セグメント別の売上高が39億8900万円(2023年11月期)で、前年同期比27%増と安定して成長している。しかし、マネーフォワード全体の事業構造を見ると、近年は法人向け事業のウェイトが高まっており、Homeセグメントの売上高は全体の約13%にとどまっている。
一方の三井住友カードは、2023年3月より個人向けの総合金融サービス「Olive」の提供を開始し、フィンテックサービスを強化している。Oliveは銀行口座、カード決済、ファイナンス、オンライン証券、オンライン保険などの機能をアプリ上でシームレスに提供するサービスで、1枚のカードで複数の決済方法を使い分けられる「フレキシブルペイ」機能が特徴だ。サービス開始から1年が経過し、会員数は7月末で300万人を突破と好調だ。
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