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日本人が「幸福」を感じられないのは給料の問題か 前回よりUPも、日本の「幸福度ランキング」は?

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 15時0分

幸福とは何なのか。私たちにとって常に考えさせられる難題ではないでしょうか(写真:tadamichi/PIXTA)

為替レートの大変動、株価の高騰、物価や賃金の動向など、「経済の潮目」が明らかに変わってきたのは誰もが感じているところでしょう。それが何を示しているか、それから何を読み取れるかで、ビジネスの発想・行動も大きく変わってきます。

ひとつの数字が表われてくるまでの背景を知り、読み取ることで、「いま」や「これから」の経済の姿が見えてきます。もちろん、「過去」を知ればより深く理解することができるでしょう。

長年にわたり、帝国データバンク情報統括部が蓄積してきたデータベースをもとにした新著『帝国データバンクの経済に強くなる「数字」の読み方』では、ビッグデータやAIなど「数字が万能の世の中」になればなるほど必要になってくる、アナログで読み解く力を紹介しています。本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。

収入が増えても幸福度は上がらない

「幸福」とは何でしょうか。

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かつて、明石家さんまさんが「しあわせって何だっけ」という歌を出し、テレビCMでもタイアップされるなどヒット曲となりました。

その後もさまざまな企業が「幸せ」をテーマにした広告を打ち出すなど、私たちにとって常に考えさせられる難題ではないでしょうか。

2011年11月にブータン国王夫妻が日本を訪れ、その際に注目されたのが「ブータンは幸せな国」という話でした。ブータンでは国勢調査で国民の約96.7%が「幸福だ」と回答し、その様子が話題になりました。

この出来事を通じて、豊かな経済だけでなく「国民の幸福度」という観点も大切だと再認識されることとなったのです。

1970年代に所得の上昇が必ずしも幸福感に結び付いていないという「幸福のパラドックス」が唱えられて以来、幸福に関する研究は盛んに行なわれています。年間所得が1万~2万ドルを超える頃から、所得が増えても幸福度は高まらず、頭打ち、さらには低下するという現象です。

日本でも、所得が増加するにつれて、主観的幸福度が増加するが、所得の増加率ほどには主観的幸福感は増加せず、その変化率の比も1100万円で最大となった、という研究結果もみられます。

日本においても経済成長が幸福度に与える影響は薄れている可能性もありますが、直近(2023年10~12月期)の名目国内総生産(GDP)は20年前と比べて13%程度の上昇となっており、経済成長と幸福度の関係についてさらなる検証が待たれます。

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