シックスセンスの天才子役、変わり果てた36歳の今 ドラッグ所持やアルコール依存症を経験
東洋経済オンライン / 2024年8月15日 11時0分
『シックス・センス』が公開されて、四半世紀になる。北米公開は1999年8月6日、日本公開は同年10月30日。公開当時、ブルース・ウィリスは44歳、子役のハーレイ・ジョエル・オスメントは11歳。監督兼脚本家のM・ナイト・シャマランは29歳だった。
【写真を見る】当時11歳で今や36歳、激変した元子役ハーレイ・ジョエル・オスメントのビフォー・アフター
期待されていなかった小作品が大ヒット
決して話題作とは言えなかったこの小粒なホラー映画は、アメリカで堂々の首位デビュー。公開10週目までトップ10圏内にとどまり、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』に次いで、この年2番目のヒットとなった。
アカデミー賞にも、作品、監督、脚本、助演男優(オスメント)、助演女優(トニー・コレット)、編集の部門で候補入り。アワードで軽視されがちなホラーというジャンル、メジャースタジオの娯楽映画においては、大きな快挙だ。シャマラン、オスメント、コレットのキャリアで、オスカーに候補入りしたのは、今のところこの時だけである。
皆さんも覚えていらっしゃるだろうが、物語の中心人物は、死んだ人が見える9歳の少年コール(オスメント)と、彼の治療に挑む児童精神科医マルコム(ウィリス)。
コールは自分の秘密を母(コレット)にも明かしていない。幽霊が出てくるので怖さはしっかりあるが、とりわけラストのあたりでは人間ドラマとしての感動もたっぷり。何より最後のオチがすばらしく、この後しばらく「サプライズのオチ」はシャマランのトレードマークになった。
この映画の成功は、オスメントの名演技なしにはありえなかった。撮影当時10歳だったオスメントは、それまでにも『フォレスト・ガンプ/一期一会』や『シカゴホープ』『アリー・myラブ』などのドラマに出演していたが、ウィリスとほぼ共同主演ともいえるこの映画で大ブレイク。
翌2000年にはケビン・スペイシー、ヘレン・ハントと共演する『ペイ・フォワード 可能の王国』が公開され、2001年には、スタンリー・キューブリックが実現させられなかったプロジェクトをスティーブン・スピルバーグが引き継いだ注目作『A.I.』で、主人公のロボット、デビッド役に大抜擢された。
人間そっくりだが人間ではないデビッドを演じるオスメントの微妙な演技は、今見直しても感心させられるばかりだ。しかも、彼は、2時間半近いこの映画のほとんどのシーンに登場するのである。
天才子役の立場を確立
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