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コロナで消えた「駅ナカジュース店」驚きの現在 拡大、派生、衰退…そして新たな出店が始まるまで

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 10時0分

最盛期、40店舗以上あった「ジューサーバー」。派生したJRの「ハニーズバー」含め、コロナ禍でほとんどが閉店したが、再び増加し始めている。なお、写真はかつてあった西武高田馬場店(写真:カフェ提供)

関西にある『ジューサーバー』という店をご存じだろうか? ミックスジュースやフレッシュジュースが入ったミキサーがカウンターに並ぶ、いわゆる“ジュース・スタンド”だ。

【画像12枚】コロナで新大阪、京橋の2店舗のみに激減していたが、今後は増える? 京阪ユーザーを中心に大阪府民に愛される「ジューサーバー」

明るいオレンジカラーの外壁がトレードマーク。一時は京阪電鉄駅ナカを中心に全国数十店舗まで拡大したが、コロナ禍に多くが閉店に追い込まれ、2023年には京阪京橋駅ホーム上、新大阪駅新幹線改札内の2店舗で営業を行っていた。

だが2024年4月末、大阪・枚方市の遊園地『ひらかたパーク』内に3店舗目が開店した。これは復調の兆しなのか。コロナ前からの歩みと現在について、運営会社の株式会社カフェに話を聞いた。

京阪沿線を中心に、関東にもFCを出店

ジューサーバーの1号店が京阪淀屋橋駅コンコースにオープンしたのは2000年のことだ。京阪グループの株式会社京阪レストランという企業が立ち上げ、一気に店舗を拡大していった。

【画像12枚】コロナで新大阪、京橋の2店舗のみに激減していたが、今後は増える? 京阪ユーザーを中心に大阪府民に愛される「ジューサーバー」はこんな感じ

最盛期には丹波橋、枚方市、天満橋駅など京阪沿線を中心に、梅田地下街ホワイティうめだや関東圏にも出店。店舗数は40店舗程度にまで広がった。

現在の運営会社である、株式会社カフェの取締役・寺村武史氏によると、店舗拡大のピークは2016年頃だったそうだ。東京近郊ではフランチャイズ展開もスタートし、これが当たってぐんぐん勢力を増した。

なぜこれほど急速に拡大できたのか。その理由は人件費が少なく、5坪あれば始められるビジネスモデルにある。投資のハードルが低く、失敗しても負債は少なく済むため、オーナーとの利害が一致しやすかったのだ。

一方でこの時期には、FCを運営する本部機能ができ、各店のジュースのクオリティを統一するために農協に依頼したり、専属バイヤーが地方に出張して旬の果実を仕入れる動きも。特に、一番人気のミックスジュースはオリジナルレシピを作り、それをFCを含めた全店に卸していた。

コロナで大ダメージ、短期間での急速な縮小

順調に拡張を続けていたジューサーバーだが、2020年、事態は一変する。青天の霹靂。コロナ禍が始まったのだ。「駅に人が激減」「マスクで覆っているため口を出せない」という状況に売上は激減。採算がとれなくなった店が次々と閉じられていった。そして、これに伴い本部機能も人員削減となった。

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