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「ご破算」となった日経平均は今後どうなるのか カギ握る3つの上昇エンジンと3つの不透明要因

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 11時0分

同時期の日経平均は25.5%下落したが、第1のナスダック総合指数は7月10日の最高値1万8647ポイントから1万6200ポイントまで13.1%下落。第2の「ドル円」は1ドル=161円57銭から144円11銭まで10.8%の円高が進んだ。

また第3の「日本10年国債利回り」も7月11日の1.080%から8月5日の0.750%へと0.330%金利が下落した。日経平均の25.5%下落は、上昇時と対照的に、ナスダック総合指数の13.1%下落と、ドル円の10.87%円高だけの2つ(合計すると23.97%ポイントの下落要因)で、ほとんど説明ができる。

では、一見急反発しているように見える日本株だが、今後はどうなるだろうか。結論から言えば、今後の日経平均は上記の3つの上昇エンジンの行方次第だ。以下で説明する。

「3つの上昇エンジン」のうちプラス要因は金利

第1の米国株高はいったん終了とみている。ナスダック総合指数は上述のように7月10日にピークをつけたが、AI(人工知能)相場の先導役を務めてきたエヌビディア(NVDA)は6月18日の最高値を抜けず、7月10日に2番天井上昇となった後下落し、モメンタム(株価の勢い)は悪化している。

加えて、アメリカ商務省による人工知能(AI)向け半導体装置を巡る対中規制強化策(7月16日)によって、中期的な業績予想の不透明感も出てきた。「この分野を買っておけば値上がりが期待できる」というセクター(業種)ローテーションに限界がきた可能性がある。

ただAI関連株の株価下落などで日経平均はいったんはリバウンドする可能性も出ている。11月5日のアメリカ大統領選挙に向け、今後は大統領候補者や副大統領候補者などの対中規制強化策に関わる発言などでも株価は左右されそうだ。

第2の円安、特にドル円相場はどうか。7月11日には、日本の通貨当局が、アメリカの労働省が発表する6月の消費者物価指数(CPI)に合わせ介入したとの観測などから一気に円高が進んだ。

また、日銀は7月30~31日の金融政策決定会合で、従来0~0.1%としている政策金利を0.25%に引き上げると決めた。理由は賃金の上昇などで物価と景気の見通しがなお上向きにあると判断したためだ。あわせて日銀は国債買い入れ減額を月6兆円程度から2026年1~3月に月3兆円程度までに半減させる計画も発表。日本経済は「金利ある世界」に一段と踏み込んだ。

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