「ご破算」となった日経平均は今後どうなるのか カギ握る3つの上昇エンジンと3つの不透明要因
東洋経済オンライン / 2024年8月15日 11時0分
これによって円安が株高のエンジンとして機能しなくなったが、逆回転は始まったばかりだ。今回の利上げに加えて、9月にはアメリカでFOMC(連邦公開市場委員会)の利下げ期待が高まっている。さらなる日米金利差縮小となれば、為替は円高に進み、日本株にさらなる逆風となるだろう。
第3はひとことで言えば日本の金利上昇だ。ただ、利上げは株式市場にはネガティブだが、金融業界の割安株には好材料となる。企業のPBR(株価純資産倍率)1倍割れの是正を目指す東京証券取引所の改革も意識されるだろう。
7月の利上げは市場にとってサプライズ(私は想定の範囲)となったが、もし、その後日銀が複数回の利上げをできるようなら、中長期では株高のエンジンとして継続するだろう。
短期的に見ても、8月6日からの株価急反発はそろそろ戻りの限界に近づいており、2番底リスクに注意したい。私は今年の日経平均の高値は7月11日の4万2224円02銭で決まった可能性が高いとみる。
さらなる「3つの不透明要因」も
もし上記の3つの上昇エンジンが再稼働するなら、もう一度年内に高値圏を目指す展開を期待できるかもしれない。だがその可能性は低いそうだ。しかも上記の3つのエンジンとは別に、不透明要因が多いことも、株価の上値を重くする可能性がある。以下4~6番目の要因として列挙しよう。
第4は「アメリカ景気の悪化懸念」だ。前述のとおり、8月5日は日本株は日経平均が1日としては過去最大の下落幅、日本株全体でなんと約800社がストップ安という異例な急落となったが、これはアメリカの景気が悪化するとの懸念から、ドル安円高が進むたびに日本株が下げ幅を拡大するという「共振」がおこったためだ。
現在、アメリカでは前提とされてきた「ソフトランディング(軟着陸)」のシナリオから一転、ハードランディング(景気後退)まで意識する投資家が一気に増えている。
すでにFRB(連邦準備制度理事会)による大幅利下げ(0.5%利下げ、しかも複数回)の観測も急浮上している。今後は、8月22~24日のワイオミング州ジャクソンホールでのFRB議長講演や9月6日の雇用統計、9月11日のCPI(消費者物価指数)、9月17~18日のFOMCまで、しっかり同国のイベントや指標の内容を確認していきたい。
第5は「地政学的リスク」だ。改めて地政学的リスクとは、特定地域が抱える政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりが、地理的な位置関係によって、その地域や関係地域の経済、世界経済全体の先行きを不透明にしたり、株価や原油など特定の商品の価値を変動させるリスクのことだ。
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