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アメリカで成功「カップヌードル」まさかの営業法 アイデア次第で在庫が「宝の山」に変わることも

東洋経済オンライン / 2024年8月16日 15時0分

アメリカで「カップヌードル」の営業スタッフが取った売り込み法とは(写真:チリーズ/PIXTA)

「大量の売れ残り在庫」や「お客さんの迷惑な振る舞い」など、ビジネスの世界には大小さまざまな困難がつきものですが、そうした困難を乗り越えるためには過去の事例を上手に「カンニング」することが必要だと、作家の西沢泰生氏は指摘します。

「正解」の見えない世界で局面を打開した創意工夫を、過去の事例を基に西沢氏が紐解きます。

※本稿は、西沢氏の著書『一流は何を考えているのか その他大勢から抜きん出て、圧倒的な結果を生み出す「唯一無二の思考」』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

大量に売れ残った紙テープを売ったアイデア

1915年のサンフランシスコ万国博覧会でのこと。

日本のある会社が、商品のラッピング用に紙テープを出品しました。しかし、アメリカでは商品ラッピングはリボンが普及していて、まったく売れません。

このとき、大量の売れ残り在庫に頭を抱える会社を救ったのは、サンフランシスコ在住の1人の日本人でした。この紙テープを安く買い取ると、ある方法でこれらを売りさばくことに成功したのです。

問題:いったいどんな方法で、売れ残った紙テープを完売させたのでしょう?

ヒント:万博会場には、世界中から人が集まっていました。

答え:船でサンフランシスコを去る乗客と、それを見送る人たちに対して、「この紙テープで最後の別れの握手をしましょう」という宣伝文句で売り出した。

客船が港を出るとき、乗客やそれを見送る人たちが紙テープを投げ合う場面をご覧になったことがあると思います。実はあれ、このサンフランシスコ万博のときの「紙テープを売りさばくためのアイデア」が、元祖だったのです。

アイデアを出したのは、サンフランシスコでデパートを経営していた森野庄吉さんという方。日本の会社が困っていることを知った彼は、万博に集まったたくさんの観光客たちでごった返す港で、「この人たちに紙テープを売れないだろうか?」と考えます。

そして、在庫の紙テープを安く買い取り、紙テープを別れの握手に見立てるというアイデアで売り出すことにしました。彼のアイデアは大当たり。それこそ飛ぶように売れて、買い取った紙テープはめでたく完売したのです。

ちなみに、船の出航時に紙テープを投げることは、これをきっかけに世界に広まりました。しかし、しっかりと定着したのは日本だけとのこと。いっとき環境問題に配慮して禁止する向きもありましたが、水に溶ける紙テープを使うことで現在でも存続しています。

「カップ麺」ではなく「具の多いスープ」

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