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夏休みの悩み「自由研究」東大生は何を調べてた? 現役東大生が小さいころに選んだテーマを解説

東洋経済オンライン / 2024年8月16日 10時0分

今回は自由研究について語ります(写真:Fast&Slow/PIXTA)

数学を使って世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回のテーマは「自由研究」です。

自由研究で問題解決能力を養う

夏の風物詩といえばさまざまなものがありますが、多くの学生にとって、そして学生時代を経験した皆さんにとって印象的なものがおそらく「自由研究」でしょう。自由研究とは、特に日本の小中学校で夏休み期間中に生徒が取り組む自主的な研究活動のことを指します。

【図】今回解説しているメダルゲームの中身

自由研究の目的は、望ましい結果を出すことももちろんですが、それよりも自発的に実験や情報収集に取り組むことにあります。テーマは科学、歴史、芸術、社会、自然など幅広い分野から選ぶことができ、実験、観察、調査、作品制作など、取り組む形式もさまざまです。夏休みの宿題のメインの1つであるこの自由研究では、問題解決能力や批判的思考、さらにはプレゼンテーションスキルも養うことができます。

そんな自由研究を、東大生の私がどのように捉えていたのか。そして、実際に小中学生時代にどのような研究を行っていたのか。具体例を挙げながら紹介していこうと思います。

僕は幼いころから、ショッピングモールやゲームセンターなどにある「メダルゲーム」が大好きでした。

メダルゲームとは、アミューズメント施設で楽しめるゲームの一種です。プレーヤーは専用のメダル(コイン)を使ってゲームをプレーし、成功するとさらにメダルを獲得できる仕組みになっています。

メダルゲームには非常にさまざまな種類がありますが、ゲームセンターなどでよく見られるものの一種に、上からボールやメダルを落とし、それが釘に当たって左右に動いていくというものがあります。

当時小学生だった僕は、この釘によるボールやメダルの左右への動きがどのような仕組みになっているのかが気になり、自由研究として実際に調べてみたのです。

メダルゲームの確率を数学的に解析

まず、基本的な原理を説明します。ある壁に釘を半分ほど打ち込み、半分はまだ外に出ている状態にします。その釘の真上から、円形のもの(例えばメダルとします)を落とすことをイメージしてみてください。すると、一瞬真上で静止したメダルが、左右のどちらかに転がることが想定できるでしょう。

厳密に言えば、完全に円形のメダルと、凹みや膨らみがない釘同士が真上から接触した場合、そのまま静止します。しかし実際にはそんなパターンは1万分の1以下ほどの確率でしか起こらず、ほぼ50%ずつの確率で左か右のどちらかに移動します。

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