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東大→ミネルバ大→サッカー選手を目指す生き様 今はアルゼンチンでプロになることに全集中

東洋経済オンライン / 2024年8月17日 8時30分

「先進国と途上国では社会課題がまったく異なることも理解できました。良い生活をより良くする仕事と、貧しい地域に本当に必要なものを整え、生活水準を上げる仕事で分けるなら、私は現段階では後者に強い興味がある。

これは幼少期に劇的に発展していく上海で暮らしていた当時の中国の“熱”の影響を受けています。そういう今後伸びていくだろう国に身を置くほうが圧倒的にワクワクします。

実際にアフリカでは水や電気といったインフラ、食料などの問題がまだ残っていることも肌で感じられました。そして、言葉の問題はある中でも、サッカーでボールを蹴るというコミュニケーションは非常に効果的でした。ボール1つで国籍を超えて一気に距離が縮まったのは貴重な経験でした」

再びサッカーに打ち込む日々

そして今年1月から、煙山さんはアルゼンチンのブエノスアイレスから1時間ほどのラプラタという町にある「ヒムナシア・ラ・プラタ」というアルゼンチン1部リーグの古豪で練習生として日々を過ごしている。

当初は授業の一貫として、アルゼンチンに来たのだが、高校時代に負った膝の重傷が癒えたことで、学校のプログラムの予定を早めてアルゼンチンでプロを目指すことにしたのだ。

日本人が経営に関わる「無双ArgentinaC.F.」と接触し、チームを紹介された。改めて言うまでもなく、日本でプロになれなかった煙山さんが世界的なサッカー強豪国であるアルゼンチンでプロを目指すハードルは高い。今は自分より年齢が若いプロ予備軍の選手に混じって3軍で汗を流している。

「毎日、『チ―ノ』(スペイン語で中国人)と言われ、チームに適応するため苦悩しつつも、サッカーに打ち込んでいます(笑)。たぶん、今が最も人生で挑戦できているとも感じており、凄く充実していますね。

アルゼンチンは日本とサッカー文化も違い、とにかく『ゴールに直結する選択をすること』が求められます。それを理解できてから、自分のプレーも変わってきているとも感じています。年齢や身長はもう変えられませんが、決定力、フィジカル、テクニック、戦術理解といった変数の部分を努力で伸ばせたらアルゼンチンでも通用します。サッカーでプロを目指すのは年齢的にも体力的にも今しかできません。だから挑戦する価値があると思います」

今はアルゼンチンでプロになることに集中しているといい、その手応えも感じ始めているという。エネルギーのほぼ全てをサッカーに捧げる生活を続けており、プロへの道順を論理的に話す様子も決して大袈裟に聞こえない。さらに、プロサッカー選手以外にもいくつか夢は持っている。

サッカーで完全燃焼した後は起業したい

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