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アイシンと共同開発「glafitの4輪車」の使用感 電動キックボードと同じ特定小型原付の新形態

東洋経済オンライン / 2024年8月17日 10時0分

アイシンが開発した旋回制御はとにかく自然で、ハンドルを切るとそれに応じてスムーズにリーンしていき、安定して曲がることができる。旋回中にアクセラレーターを離すと、スピードが低いのでほぼその場で停止するが、そのときも不安はなかった。

特定小型原付の中には、スイッチ操作で最高速度が6km/hに制御され、緑色の最高速度表示灯を点滅させることなどにより、普通自転車(特定小型原付と同じ全長190cm×全幅60cm以内で4輪以下などの規定に収まる自転車)が通行可能な歩道を走れる、特例特定小型原付というジャンルがある。

個人的には自転車を含めて、多くの外国と同じように「歩道の通行は原則禁止」としたほうがいいと思うが、今回の車両は高齢者を対象としていることから、歩道通行以外でも、運転者や家族が速度を抑えた運転を望む場合がありそうだ。

その場合は、回生ブレーキを控えめにしたり、コーナーでのリーンをなくしたりという制御があってもいいのではないかと思った。

実社会で「役立つ存在」となる可能性

価格については、「60万〜100万円あたりを目指す」とのこと。既存の特定小型原付よりも高価なのは、凝った機構を搭載していることが関係しているだろう。

電動車いすは介護保険の利用が可能だが、後期高齢者にもそのような制度を用意して、安価な出費でこのようなモビリティを使えるようになれば、運転免許返納がスムーズになる人も出てくるのではないか。

もうひとつ気になるのは、やはり道路環境だ。特定小型原付は、自転車とほぼ同じルールで乗ることになるが、日本は自転車道や自転車レーンの整備が遅れているので、安全性に不安を抱く人もいるはず。

ただし、同じ特定小型原付でも、若者の利用率が多い電動キックボードとは違い、今回の車両は交通弱者である高齢者の利用を想定している。そういう乗り物を邪魔者扱いしていいのか、という気持ちはある。インフラだけでなく、道路を移動する一人ひとりのマインドの改革も重要になるだろう。

一方のハードウェアについては、現状でも満足できる出来だったが、今回を含めた3カ所で実施した実証実験での評価や感想をフィードバックしていくとのこと。さらに完成度を高めた姿で市販される日を楽しみに待ちたい。

【写真】形も新しい!glafitの新型車プロトタイプを見る

森口 将之:モビリティジャーナリスト

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