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iPhoneで「古い充電器」を使っている人の盲点 充電器をアップデートしないと、最新の高速充電の恩恵に授かれない

東洋経済オンライン / 2024年8月17日 10時0分

それを安全に使うために、電流を制限する回路などが設けられ、電解質・電解液に燃えにくい素材が使われるようになるなど、安全性は高くなっている。また、大電流での充電への耐性も高まっており、以前に比べて急速充電も可能になった。

最初の頃にiPhoneに付属していたサイコロのような小さな充電器は5V×1Aで、5Wの充電能力を持っている。当時はそのぐらいゆっくり充電する必要があったのだ。iPhoneの充電キャパシティは次第に大きくなっており、最新のiPhone 15 Proでは27Wまでを許容するようになっている。

W(ワット)数というのが仕事量で、V(ボルト)が電圧、A(アンペア)が電流。川の流れでいえば、それぞれ水量と、水位、川幅のようなものだ。実際に充電するときには、まず大きく電圧を規定して、電流量は細かく調整したりする。

アップル独自規格のLightning端子は、そのもう一端がUSB-A端子である時代が長かったが、見た目を変えずに電流量を増すなど規格のアップデートが行われてきた。iPhoneのバッテリーがどんどん巨大化、やがてiPadも登場したことで、一方がUSB-Aより電力効率のいいUSB-Cになる。やがてLightning端子もUSB-Cとなり、本格的な高速充電が可能になったのだ(なお、AndroidスマホではマイクロUSBという端子が使われていた時期もあったが、アップルは採用していない)。

80%溜まったらバッテリー保護のためゆっくりと

USB-Cケーブルを使う場合、PD(パワーデリバリー)という規格があり、iPhoneをはじめとしたスマホも、現在はこの規格に準拠した仕組みで充電される。

PDの規格に合致したデバイスなら、充電される側と充電する側に、充電をコントロールするためのチップが搭載されており、それぞれが情報をやり取りして、電圧と電流をコントロールする。

PDの規格では、電圧は5V、9V、15V、20V、48Vが設定されており、現在の最新規格では48V×5Aで240Wまでの充電が可能とされているが、そこまでの出力を必要とするデバイスは筆者はあまり見たことがない。

この規格の中で、iPhoneで関係してくるのは5Vと9V。

iPhoneは、バッテリーを傷めないようにしつつ、可能な限り高速充電するために、ほかに類をみないほど非常に精密な充電制御を行っている。

iPhoneのバッテリーが空に近い状態で充電器に繋ぐと、まず5Vで起動して通信、リセットしてPD充電のモードに入る。

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