「55年前のレシピ」で作ったロールキャベツの味 昭和と現代のレシピで作り比べをしてみたら
東洋経済オンライン / 2024年8月17日 12時0分
この半世紀、日本の暮らしは激変しているので、定番料理といえどもレシピは変わっているのではないかーー。そんな素朴な疑問から始まった、昭和と現代のレシピで料理し、時代がどのように変わったのかを検証する本企画。
【写真】55年前の昭和のレシピと、現代のレシピで作ったロールキャベツ
今回はロールキャベツを作ってみた。前回の肉じゃがと同様(【実験】「肉じゃが」今と昔のレシピで作った結果)、時代の変化を浮き彫りにするため、ある程度似た作り方を選んでいる。
昭和時代はレシピといえば雑誌
ロールキャベツには、スープの味のベースがコンソメ、ブラウン(ドミグラス)ソース、ホワイトソース、トマトソースがある。キャベツを丸ごとや4つ切りなどにして、すき間に肉だねを押し込むレシピもあるし、オーブンで焼く方法もある。今回は、どちらもキャベツの葉を広げて肉だねを包み、トマト味で煮込むレシピで比較した。肉じゃがと時代を合わせ、高度経済成長期と近年で比較する。
昭和のレシピは、『主婦の友』のセレクト集『夢いっぱい! 昭和の食卓レシピ』から。初出は『主婦の友』1969年4月号。雑誌から選んだのは、この時代はレシピ本より雑誌がよく買われていたため再現した。残念ながら、レシピを提供した料理家名は掲載されていない。
今は、当時のような総合主婦雑誌はないが、高度経済成長期は主婦雑誌が何十万部と売れていた。経済成長で生活環境が急激に変わり、板の間のダイニングキッチンや、電気・水道・ガスのライフラインが行き渡り、スーパーが誕生し、庶民が毎日肉や魚を食べられるようになった頃だった。新しい生活に対応するため、主婦雑誌やテレビは、盛んに洋食や中華のレシピを提案していた。ロールキャベツを雑誌で知った主婦は多かったはずである。
現在放送中の朝ドラ『虎に翼』8月15日放送回で、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉)が、1955年に交際中の星航一(岡田将生)を家族に紹介しようとする際に作ったごちそうがロールキャベツだった。
調理工程は以下の通り。
① キャベツの葉をはがし、蒸し器でしんなりと緑色が濃くなるまで蒸す。冷ましてから芯をそぎ取る。
② タマネギをみじん切りし、サラダ油とバターを熱したフライパンで炒め、合いびき肉を加えてさらに炒める。塩、コショウで調味し、パン粉を加えてさっと混ぜる。
③ キャベツの葉を広げ、②の肉だねを4等分し丸めてそれぞれ乗せる。風呂敷で包む要領で包み、余分な水分を絞って形を整える。
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