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「55年前のレシピ」で作ったロールキャベツの味 昭和と現代のレシピで作り比べをしてみたら

東洋経済オンライン / 2024年8月17日 12時0分

④ ロールキャベツを鍋にきっちり並べ、固形スープを湯で溶かしたスープを注ぎ、中火で静かに煮る。

⑤ 皿に取り、トマトケチャップをかけるか、煮汁に塩少々を加えたソースをかける。

キャベツは冬キャベツをすすめている。「風呂敷で包む要領」は原文の表現通りだが、風呂敷が身近だった時代ならではの表現だ。バターを使うところが、フランスの影響と、乳製品が大人気でカロリーを積極的に摂ろうとした時代を感じさせる。

キャベツに包む前に肉を炒めるのはなぜ?

肉じゃがのときも、実は昭和のレシピのほうが時短だったのだが、今回もこちらが手早く作る方法だった。包む前に肉まで火を通すのは、流通過程で冷蔵・冷凍を行うコールドチェーンシステムができたばかりで鮮度が不確かで、食中毒を起こさないよう気を使ったのか。あるいは、欧米ではコンロで焼いてからオーブンに入れる料理も多いため、向こうの作り方を踏襲したのだろうか。

楊枝で留めずに絞って鍋にきっちり詰める、というやり方は簡単で食べやすそうだ。皿に移し替える際も、バラけたりはしなかった。

煮汁でソースを作るなら、汁を煮詰めてトマトケチャップを加えたほうがよいのではないかと思った。トマトケチャップも、当時は多くの家庭に常備されヘビロテされた調味料である。トマト味は普及し始めで、スパゲッティのナポリタンやミートソース、ハンバーグ用のソース、オムレツ・オムライスのソースとしても人気が高かった。

現代のレシピは、2020年刊行の『家庭料理100のきほん』から、グラフィックデザイナーから調理師学校で学び料理家になったワタナベマキ氏のレシピを選んだ。

材料はキャベツ、豚ひき肉、タマネギ、パン粉、牛乳、薄力粉、トマト、ニンニク。調味料は、オリーブオイル、塩、コショウ、A(溶き卵、塩、白ワイン、コショウ)、B(水、白ワイン、ローリエ)。

調味料をA、Bなどに分ける理由

まとめて入れる調味料をA、Bなどと分けるのは、レシピの文字数を減らすためもあって近年多用されている。文章が長いだけで、「めんどくさそう」と思う読者は多いようだ。使う調味料の種類が多くなったこともある。

一方で昭和のレシピは、前回の『きょうの料理』の肉じゃががそうだったが、材料欄には調味料名しかないのに本文に分量が出てくることがしばしばある。どちらにしても、注意深く読む必要がある。

調理工程は以下の通り。

① キャベツの葉は芯をそぎ取り、沸騰した湯で約1分半茹でてしんなりさせる。

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