スバル「初代インプレッサ」が残した名声と課題 熱狂的ファンを作るも素直に成功と言い切れず
東洋経済オンライン / 2024年8月18日 10時0分
ただし、ここで問題が発生する。レガシィは、アメリカ市場を強く意識していたため、レオーネよりもサイズが大きくなってしまったのだ。そのため、リッターカーであるジャスティと、2リッタークラスのレガシィの間が空いてしまう。
ここはトヨタ「カローラ」を筆頭とする、当時の超売れ筋セグメントである。実質的なレオーネの後継が必要となったのだ。そこでスバルが用意したのが、1992年11月発売のインプレッサであった。
インプレッサのメカニズムは、水平対向エンジン+4WDレイアウトというレガシィ譲りのもの。ドアが、窓枠のないサッシュレスであるのも、レガシィと同じだ。サイズはレガシィよりも小さく、4ドアセダンとステーションワゴンの2種類のボディを用意した。
ただし、ここにインプレッサの個性があった。ステーションワゴンは荷室を広くするため、全長を大きく伸ばすのが通例である中、インプレッサのワゴンはセダンと10mmしか違わなかった。
これが意味するところが、「荷室は狭くても走りには有利」ということ。そのためスバルは、この短いワゴンを「スポーツワゴン」と名付けた。
ラリーでの3連覇で高性能イメージを確立
1993年になると、WRCへの参加車両をレガシィからインプレッサに変更。そうしたイメージに合わせるように、インプレッサには高性能版であるWRXグレードを用意した。ベーシックな1.5リッターエンジンの最高出力が97馬力であったのに対して、WRXの2.0リッターターボは、240馬力もの高出力を誇った。
しかも、WRCにおいてインプレッサは、1994年に初優勝を飾り、1995年にはマニファラクチャーズチャンピオンを獲得。さらに1996年、1997年もチャンピオンとなり、3連覇を達成する。
このWRCでの日本車の活躍に、国内は大いに盛り上がった。F1やパリダカールラリーなど、1990年代の日本は、モータースポーツの人気が非常に高かったのだ。
そうした国内の熱気に後押しされるように、インプレッサはさまざまな高性能バージョンを世に送り出す。モータースポーツ参戦を主眼とする競技仕様のWRX RAに始まり、1994年からは、さらなる高性能なSTiバージョンを登場させる。
ちょうど、WRCでライバルであった三菱自動車からも「ランサーエボリューション」シリーズが発売されており、自動車媒体では「インプレッサSTi対ランサーエボリューション」が定番の比較記事になっていた。
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