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NTT西日本、「顧客情報流出」の先に待つ2つの難題 北村新社長「設備だけで稼ぐ会社から転換する」

東洋経済オンライン / 2024年8月19日 10時0分

――森林前社長の時代は、「成長分野」の売り上げ比率を2026年3月期に半分以上に高める目標を立てていました。この目標を引き継ぐことになるのでしょうか。

50%という非常にチャレンジングな目標だが、旗を降ろさずにやっていきたい。回線を増やすだけではなかなか厳しい状況なので、回線や通信関連の法人ビジネス、あるいはソルマーレに代表されるような新しい事業を拡大していかないとやはり厳しい。

――例えば、クラウドのところで言及されたコンサル営業を強化するうえでも、社員のリスキルのようなものが必要になると思います。どのように人を育てますか。

まずは、どのレベルのスキルを持った人たちがどのくらい必要か種別で可視化することから始め、人材のマトリクスを社内で共有する。こういう分野にリソースをこう置きたいというメッセージを発信しないといけない。

そのうえで、スキルは座学ではなく実際の仕事の中で身につくので、実践の場を増やす。そのために、リソースシフトが大事になる。月並みではあるが、既存分野の無駄をなくして生産性を上げ、そこに従事していた人たちを成長分野にシフトする。社員の納得感を上げていくために、CDP(長期的な視点でキャリア形成を支援する仕組み)を描いていくことがポイントになってくる。

万博は次世代通信技術のショーケースに

――大阪・関西万博が来年に開かれます。NTTグループもパビリオンを出す予定ですが、お膝元でもあるNTT西では、どういうかたちで関わっていきますか。

大阪に本社を持つので、万博に対する期待感は非常に強い。西日本だけでなく、グループの総力を挙げてIOWN(アイオン)(編集部注・NTTが開発する光電融合技術を活用した次世代通信基盤)を提供し、盛り上げていきたい。

NTTのパビリオンでは、物理的な距離や心理的な壁を越え、遠くの人や物と、空間や感覚を共有できる新しい体験価値を提供する。リアル・バーチャルで、ワクワクする未来のコミュニケーションの姿を見せたい。

西日本は会場内の通信基盤を構築し、期間中も保守をしていく。そこでしっかり役割を果たしたい。万博をショーケースにアイオンのユースケースを作っていきたいし、万博期間中とは別かもしれないが、それを1つのトリガーにしながらデータセンター事業者や、放送局、エンタメなどの分野の方々にもアプローチを進めていきたい。

茶山 瞭:東洋経済 記者

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