「小泉進次郎首相」誕生へ森氏や菅氏が動くワケ 「自民党をぶっ壊す」の小泉旋風再来はあるのか
東洋経済オンライン / 2024年8月19日 16時25分
さらに、「旧安倍派の議員たちが進次郎氏擁立でまとまるのか」(自民長老)という点も問題視されている。というのも「多くの議員は『反岸田』ではまとまるが、進次郎氏支持でまとまるとは思えない。支援する議員はいても、旧安倍派と無関係な形になるはず」(旧安倍派関係者)との見方が支配的だからだ。
「小泉」でキングメーカー争いの主導権狙う菅氏
その一方で、森氏も含めた党長老たちのキングメーカー争いの渦中にあるとされる菅氏も、同じ神奈川県選出で小泉氏の後見役を自任してきただけに、周辺にも「衆院選をにらめば、選択肢は小泉氏しかない」と漏らしているとされる。
そもそも菅氏は、「小泉、石破、河野のいわゆる『小石河トリオ』の後見役」(側近)だっただけに、「今回のように、トリオがそれぞれ総裁選出馬の意思を示した場合、誰を選ぶかでキングメーカーとしての“資格”が問われる」(政治ジャーナリスト)ことになる。だからこそ「自分より当選回数の多い石破氏、当選同期の河野氏より、若手が期待する43歳の小泉氏を担ぐことで、総裁選の主導権を握ろうとするはず」(同)との見方が広がる。
小泉氏は父の秘書を経て、自民党が政権を追われる惨敗を喫した2009年衆院選で初当選。その後、党青年局長や筆頭副幹事長などを経て、38歳だった2019年に第2次安倍政権の環境相として初入閣し、後継の菅政権でも再任されて、「未来の首相候補」としての地位を固めた。もちろん、初当選時から抜群の知名度を誇ってきたこともあり、最近の各種世論調査の「次の首相にふさわしい政治家」でもトップスリーの常連だ。
「すべては自分で決めるのは当たり前」と強調
その小泉氏は8月9日収録のラジオNIKKEIのポッドキャスト番組で、「(父親には)仕事上の判断をいちいち仰がない。歩みを進めるも引くも自分で決めるのは当たり前」としたうえで「どういう総裁選になるべきかをさまざまな議員と意見交換する中で、(答えは)おのずと出てくる」と総裁選出馬の可否は自らが判断する考えを強調した。
小泉氏の父・純一郎氏が劇的な勝利を収めたのは2001年4月の総裁選。当時の森首相が失言や危機管理の不手際などで内閣支持率が10%を割り、退陣表明に追い込まれた際、森派(清和会)を離脱して総裁選に出馬した純一郎氏は、「自民党をぶっ壊す」と叫んで党員・党友だけでなく国民の心もわし掴みし、党員・党友らによる予備選で大勝して、3度目の挑戦で総裁の座を射止めた。
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