「小泉進次郎首相」誕生へ森氏や菅氏が動くワケ 「自民党をぶっ壊す」の小泉旋風再来はあるのか
東洋経済オンライン / 2024年8月19日 16時25分
今回、岸田政権が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題や巨額裏金事件などで、強い逆風にさらされたことで、内閣支持率が「3割以下の危険水域」に低迷しつづけている政治状況は、当時の森政権とも重なる。しかも、来年夏には参院選が控え、来年10月には衆院議員の任期満了を迎えることから、「選挙の顔」として小泉氏に期待する声が高まるのは当然でもある。
だからこそ次期衆院選で苦戦が予想される自民議員達は「進次郎氏は、父親と同様に『自民党をぶっ壊す』くらいの気合を示して出馬してほしい」(旧安倍派若手)と期待するのだ。ただ、長年小泉氏を観察してきた永田町関係者からは「知名度だけで中身に乏しい」「環境相としてやったことはレジ袋の有料化ぐらいだが、これも概して不評だった」(有力議員秘書)などと厳しい評価も少なくない。
森、菅両氏の“手札”なら国民も失望
その小泉氏は18日、横浜市で会見し、総裁選出馬を求める声が相次いでいることについて「ありがたい。今後については真剣に考えて判断したい」と応じた。さらに岸田首相が退陣表明の際に、巨額裏金事件を受けた改革の取り組みを重視する考えを示したことについても「まったく同感だ。改革を逆戻りさせないことが非常に重要だ」と強調。「自民が本当に変わった姿を見せるうえでは、派閥解消が名ばかりでないと形を示すことが重要だ」との認識を示した。
ただ、小泉氏が出馬した場合でも「後見人が森氏か菅氏かという状況になれば、進次郎氏も旧世代の政治家とみなされ、国民レベルでの“小泉旋風再来”への期待は一気にしぼみかねない」(政治ジャーナリスト)との厳しい指摘も少なくない。それだけに、「“変人”を貫いた父親とは違い、当初から“優等生”として政治家人生を歩んできた小泉氏が、今回一気にその殻を破れるかが、総裁選での勝敗に直結する」(政治ジャーナリスト)ことは間違いなさそうだ。
泉 宏:政治ジャーナリスト
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