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アイデア出しに「9つの不満」を探すのがいい理由 不満は会議室ではなく「現場」で起きている

東洋経済オンライン / 2024年8月20日 11時30分

僕は、仕事にとりかかる前にいつも不満と向き合うことにしている。あるスキーリゾートのブランディングを依頼された時もそうだった。今、ニセコに代表されるように日本のスキーリゾートは活況だし、世界中から投資のお金が集まるから前途洋々だ。ただそうなると打ち合わせの話もみんな前向きの意見が多くなり、浮足立ったアイデアばかりになって本質的な解決ができなくなってしまう。

正直、金、モノ、人をただ集めるだけでは10年で飽きられてしまう可能性がある。もっと本質的な観点で人(命)の欲求に近い開発をすべきだし、そうするためには今、人が心の底で思っている(思っていなくても存在する)不満を解決するように動くべきだ。

だから上記の仕事の時も、僕は9つの不満から考え始めた。「不満ビンゴ」と名づけたその9つのマス目は、アイデア開発の準備運動としてよく使うもので、人の心に眠っている課題を掘り起こすには最適の思考ツールだからだ。原理は簡単で、図のように「私の不満、まわりの不満、社会の不満」×「機能の不満、機会の不満、気分の不満」をそれぞれ考えるだけだ。

例えば今のスキーリゾートにある「私の不満×機能の不満」なら「レンタルスキーウエアがださい」「家族で遊ぶところがない」といくらでも挙げられるし、「まわりの不満×機会の不満」なら「学生にはリフト券が高すぎる」「英語がスタッフに通じていない」、「社会の不満×気分の不満」となると、ニセコのように「海外の企業がメインで開発しているが日本は大丈夫か?」「地価が上がっても地域の人に還元されない」などが出る。

どれを解決すべきなのかは、開発主体が地元企業なのか外資系企業なのか自治体なのかでも変わってくるが、まずはこの「不満ビンゴ」で「不」を洗い出すと、すべての不満が見える化され、本質的に解決しなければならないアイデアの方向性がクリアに見えてくる。

不満ビンゴはアイデアの準備運動に最適。

眠っている課題を掘り起こし、俯瞰して見よう。

不満は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ

不満のフィールドワークに出よう。街には、新商品・新サービスの種が眠っている

ビジネスと不満の関係について、もう少し深掘りしてみよう。まずはいま手元にあるスマホの画面を見てほしい。僕の画面には例えばGoogle やNetflix やSuica やLINE、ニュースやお天気アプリなどが並んでいるが、それらを「不」という視点で見てみると、そのどれもが「不満」や「不便」から生まれていることがわかる。

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