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体操・宮田笙子の「喫煙辞退」で得をしたのは誰か 意外と関係深い、アスリートと喫煙の歴史【後編】

東洋経済オンライン / 2024年8月20日 14時5分

「未成年喫煙」が原因で五輪辞退が発表された体操の宮田笙子選手。この問題で一番得をしたのは誰なのだろうか(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

未成年にもかかわらず、喫煙と飲酒をしたことが問題視され、日本体操協会から出場辞退が発表された体操の宮田笙子選手。

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我が国における「未成年と喫煙」の歴史を振り返った前編の記事ー喫煙で辞退「宮田笙子」なぜそこまで批判されたか 意外と関係深い、アスリートと喫煙の歴史【前編】ーに続き、今回の記事では意外と縁深い、アスリートと喫煙の関係性を振り返っていきたい。

アスリートとタバコは切っても切り離せない

前編で触れた通り、昭和や平成の初期までは、未成年の喫煙は今よりもはるかに多かった。90年代に「タバコ問題情報センター」が未成年者の喫煙について調査したところ、1978年に比べて1990年の未成年者によるタバコ消費本数は、6倍にもなっていたという。そのため、1991年には『スモークバスター』(ぱすてる書房)という中学生向け禁煙読本までもが発売されており、なんとも世紀末な現実があった。

その一方で今回の主題であるスポーツ界はというと、長らくタバコは当たり前だった。まず、サッカー界のスーパースターで、「フライング・ダッチマン(空飛ぶオランダ人)」という愛称のヨハン・クライフは15歳の頃からヘビースモーカーで、最期は肺がんでこの世を去っている。

サッカーのオリンピック選手でいうと、旧ソ連代表のゴールキーパーで「黒蜘蛛」の愛称で知られたレフ・ヤシンも重度のヘビースモーカーだった。タバコを吸って神経を落ち着かせるためとはいえ、1日で半箱吸っていたというのだから、「意外と喫煙者でも運動できるのか」と思ってしまう(ただ、クライフはよく走るフォワードである……)。

また、アメリカ人のゴルファー、アーノルド・パーマーもワンショットごとに一服するという猛者だった。さすがに忙しくないだろうか?

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ところで、「スポーツ栄養Web」という一般社団法人日本スポーツ栄養協会のサイトに掲載された「アスリート5人に1人以上がニコチン陽性反応、男性・パワー系・団体競技で高い傾向 イタリアの調査」という記事によると、イタリアでドーピング検査の一環で6万人のアスリートの尿検体を分析したところ、「解析対象全体のニコチン陽性率は22.7%であり、アスリートの5人に1人強が喫煙または喫煙以外の方法でニコチンを習慣的に摂取していることがわかった」という。ちなみに、これは2024年の記事である。

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