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訪日客が「ドン・キホーテ」に必ず足を運ぶ理由 最新決算に驚愕!DQNの店から「みんなの店」に

東洋経済オンライン / 2024年8月20日 9時0分

ところで、私は幾度とテレビなどの企画でPPIHやドン・キホーテの社員を取材している。同社から怒られるかもしれないが、同社の社員の発言は面白くない。

これは信じられないかもしれないがほめ言葉だ。

というのも、他社であれば「こういう秘策があって売り上げを伸ばしました」という話が出てくる。いかにも広報好みのフレーズが出てくる。しかし、PPIH、ドン・キホーテの方からは、こういった飛び道具の話が出てこない。「普通のことを普通にしただけです」といった当たり前の話しか聞こえてこない。ドン・キホーテのイメージは、むしろ過激で危うい感じがある。ただ、実際には常識的で、そして“つまらない”のだ。

この“面白くない”とか“つまらない”といった言葉は、繰り返すとほめ言葉であり、非常に常識的な店舗運営を感じさせる。消費者が買いたい商品を聞き、そして販売する、という当然の態度だ。

たとえばそれを反映しているのは「マジボイス」などだろう。同社はmajicaという買い物アプリを通じて、不満を聞き取ったり、商品についての本音を聞いたりしている。同社の社員によると、商品についての意見は愚直なほど受け入れ、次の商品開発に活かす。商品を作るメーカーよりも消費者の声を拾い上げ、それを商品開発に使い、さらに他の小売店を引き離す。そして決算の関連資料でも、こういった当然のことを当然のように愚直に繰り返すといった話が繰り返されている。

それはインバウンド客にたいしても同様だ。他店より早くガチャを店舗に取り入れた(帰国の直前に余った小銭を使ってもらうためだ)り、さらに日本の著名なお土産を一堂に揃え、「日本にやってきたら寄りたい店」としての地位を確立したり……。といった施策も外国人旅行者の立場に立ってみたときに当然の施策だったのかもしれない。

「日本土産」に考慮したパッケージ

タイトルでは半分ツッコミ待ちで「訪日客が必ず足を運ぶ」と書いたが、しかし、実態としてはツッコミ待ちにならないほどドン・キホーテは外国人旅行者から支持されているし、彼らと向き合っているのだ。

ちなみに、ドン・キホーテでは商品パッケージにできるだけ外国語を使わないという。それは、外国人旅行者への訴求性をあげるためらしい。というのも、たしかに日本語のパッケージのほうが外国人旅行者にとっては日本土産としてはふさわしい。これも外国人旅行者と中途半端に対話していたら外国語の記載をしていただろうが、旅行者の立場からすれば、むしろ日本っぽさを残したほうがいいとわかったわけだ。

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