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相対性理論なら「人が100倍長生きできる」しくみ 電車の実験で検証、車内と外で時が変わるワケ

東洋経済オンライン / 2024年8月21日 18時0分

もし光速が、この地上にいる人から見ても同じ秒速4メートルだとしたら、これは光が発射されてから計測されるまでの間の時間は、この人にとっては1秒より長いということを意味します。なぜなら、一般に物体の進んだ距離は、その定義から、「物体の速度×時間」で与えられるからです。

つまり、もし光速が誰から見ても同じだということを受け入れたなら、時間の進み方は動いている人と止まっている人で異なるという結論を受け入れなければならないのです。

これだけでも十分不思議ですが、光速が誰から見ても同じだということは、「ある人にとっては、2つの出来事が同時に起こったように見えても、別の人にとっては、時間がずれて起こっているように見える場合がある」という結論も導きます。

このことを理解するために、また先ほどと同じように、あなたは、一定の速度で走る電車に乗っているとします。そして今度は、電車の車両の真ん中に立ち、前と後に向かって、同時に光を発射するとします。

すると、車内にいるあなたは、前に向かって発射した光と、後に向かって発射した光がそれぞれ、同じスピードで前にも後にも同じ距離だけ進み、前後の壁に同時に届くと結論するでしょう。

一方で、この実験を地上にいる人が静止した状態で見ているとします。その人は、前に向かって発射した光が壁にぶつかるまでに、車両の半分よりも長い距離を飛んでいることがわかるでしょう。

なぜなら、電車は走っているため、地上にいる人から見れば、前の壁は前方に向かって移動しているからです。

逆に、後に向かって発射した光は後ろの壁にぶつかるまでに、車両の半分よりも短い距離しか進んでいないことがわかるはずです。後の壁も常に前方に向かって移動しているからです。

しかし、もし光速が常に秒速約30万キロメートルだとしたら、光は前にも後にも同じ速度で、前には電車の半分よりも長い距離を、後には電車の半分よりも短い距離を進むということになります。

その結果、地上の人から見ると、前と後に向かって同時に発射された2つの光のうち、前に向かって発射された光よりも、後に向かって発射された光のほうが、早く壁にぶつかるという結論になるのです。

私たちは「浦島太郎」になれるのか?

アインシュタインは、これらの奇妙な現象が、数学的に矛盾なく起こり得ることを示しました。そして、電車の中の人から見た結論も、地上の人から見た結論も「ともに事実であり、どちらも正しい」としたのです。

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