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時間に追われる「仕事を断れない人」の深刻盲点 「仕事多すぎ」の原因は、"数値"で断る技術不足

東洋経済オンライン / 2024年8月21日 10時0分

もちろんあなたはその依頼を断ることができるでしょう。使える時間が1時間しかないにもかかわらず、2時間もかかる仕事ができるわけがないからです。

断る根拠は子どもでも理解できる算数によるものでしたが、この極めてシンプルな例の中に仕事を断るための重要なポイントがあります。私たちがこのような算数をするためには扱う対象が数値化されていることが条件です。今回の例では仕事を時間に換算しているかどうかです。

すなわち、普段から自分の仕事を時間換算できている人は、時間という数字を使い、「できないものはできない」という理由で仕事を断ることができるのです。

最悪なのはここで「頑張ります」「どうにかします」と言って仕事を預かってしまうこと。特に誠実で真面目な人物ほど、仕事を依頼されたことを嬉しく(ありがたく)感じてしまい、どうしてもこのような姿勢になってしまいがちです。

しかし当たり前のことですが、2時間かかる仕事は1時間ではできません。どう頑張ってもできない。この揺るがない原則を、断る理由にするのです。

②「お金」を理由に断る

上司からある業務をそのまま引き継いだとしましょう。その仕事の進め方はアナログの手作業なども多く、明らかに非効率的なものでした。

おそらくあなたはツールの導入など、多少のコストを発生させてでも効率よく仕事がこなせる手法に変えたいと考えるはずです。これはつまり上司の要求をある意味で「断る」ということになります。

しかし、ここで「効率が悪いので」という説明だけでは上司も首を縦に振らないでしょう。具体的に効率とは何か、それが具体的にどれくらい改善されるのか、ツールを導入するコストがどれくらいなのか、さっぱりわからないからです。

さらにこの説明のマズいところは、上司のこれまでの仕事の仕方を根拠もなく「効率が悪い」と否定することになってしまうことです。2つの理由から、このような説明は避けたほうがよさそうです。

ではこのようなケースで上司の要求を断ることができる人は何をするのか。答えは現状のやり方と新しいやり方の違いを金額換算し、比較して説明することです。仕事の効率化を時間換算し、さらに時給や時間あたり付加価値という数字を用いることで、現状の仕事が生む金額と新しいやり方で生まれる金額の差が示せます。

企業にとって何より重要なのはお金(利益)です。経済的メリットがないという事実は、ビジネスという営みにおいて適切でないことを意味します。仕事を断る最強の方法ではないでしょうか。

「攻め」の時代から「守り」の時代へ

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