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「記憶力の低下」は加齢よりも「脳の栄養」を疑え 脳トレーナー推奨の「頭に効く」食材&食べ方

東洋経済オンライン / 2024年8月21日 13時0分

脳トレーナー推奨の「脳に効く」食べ物&食べ方とは(写真:RossHelen/PIXTA)

脳は、複雑でエネルギーを食らう臓器である。体重に占める重量の割合はわずか2%だが、エネルギーは人体に必要な量のなんと2割を消費する。脳への適切な栄養補給は、新しい脳細胞の生成、神経伝達物質の産生、シナプスの形成や維持など、その複雑な機能を支えるために欠かせないことだ。脳が最適なレベルで働くには、正しい方法で栄養を補給する必要がある。『LIMITLESS[拡張版] 超・超加速学習』(東洋経済新報社)を上梓した全米トップ脳トレーナーが、脳に効く食べ物と食べ方を解説する。

記憶力や集中力を左右する「栄養」

栄養十分な脳は性能が高い。新たな情報にすばやく対応し、的確に判断し、複雑な思考を処理する。

一方、必要な栄養を欠いた脳は、認知能力が低下し、脳の記憶容量が減り、気分障害や神経変性疾患を発しやすくなる。脳に適切な栄養を与えることで、記憶力や集中力、さらには知的パフォーマンス全般を高められるのだ。

学術誌『ニューロロジー』の2017年の研究で、果物、野菜、全粒穀物、低脂肪のタンパク質をよくとる地中海式食事法を実践している人は、脳全体の萎縮が比較的少ないことが3年間の調査で明らかになった。この研究結果は、栄養豊富な食事が高性能な脳の土台であるという昔からの考えと一致し、またその考えを裏打ちしてもいる。

魚やアマニ油に多く含まれるオメガ3系脂肪酸は、脳の健康や認知機能を支えていることがわかっている。『カレント・クリニカル・ファーマコロジー』誌に掲載された研究によると、オメガ3系脂肪酸の摂取量を増やしたところ、ごく軽度のアルツハイマー病や大うつ病障害で認知機能に改善が見られたという。オメガ3系脂肪酸には、脳の炎症を鎮めて脳細胞の健康をサポートする働きもあり、食生活におけるオメガ3系脂肪酸の重要性にますます注目が集まっている。

さまざまな果物や野菜に含まれる抗酸化物質は、脳を酸化ストレス──認知機能の低下の原因になりうる有害な作用──から守るうえで重要な役割を果たしている。『米国医師会ジャーナル』掲載の2002年の研究は、ビタミンCとビタミンEの食事からの摂取量を増やすと、アルツハイマー病のリスクを軽減できる可能性があると結論している。

次に、集中力と記憶力、知的パフォーマンスを強化できる食べ物と食事法を見てみよう。例として、ブルーベリーは「ブレインベリー」とも呼ばれるほど、抗酸化物質のフラボノイドを豊富に含んでいる。『アプライド・フィジオロジー・ニュートリション・アンド・メタボリズム』誌に掲載された研究では、ブルーベリーを日常的に食べることで、脳の老化を遅らせられるほか、ワーキングメモリを改善できる可能性もあるとされている。

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