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女子アナ「体臭批判で炎上」よりキツイ最大の痛恨 超人気番組に出演も、炎上を追い風にできず…

東洋経済オンライン / 2024年8月21日 18時20分

約1時間にわたる対談を見て、筆者が感じたのは「世間のニーズがどこにあるか」だ。テレビであれば番組スタッフや視聴者、出版物であれば編集者や読者が、なにを求めているかによって、今後の立ち位置も、振る舞いも変わってくる。

ニーズに対応して、コンテンツを届けるのが、ほとんどのメディアの役割だ。今回の件については、川口さん自身についてよりも、発言の方に各社がニュースバリューを見いだして、一斉にオファーをかけたはずだ。

しかし、川口さんの発言を見る限り、制作側の真意は、残念ながらあまり伝わっていない気がした。この配信は、言い方は悪いかもしれないが、「出落ち」的なネタ企画だろう。また、バラエティ番組である以上、出る側は「終始殊勝に振る舞う」か「火に油を注ぎに行くか」の2択の、どちらかを求められてしまう。炎上ですら消費しようとするバラエティ的な姿勢の是非はさておき、そういった背景を踏まえたうえで、出演を決めるのが好ましいだろうが、配信を見る限り、川口さんはどちらでもないスタンスに感じられた。

ネットメディア編集者を長年していると、しばしば「よく燃える人」がいることに気づく。いや、気づいているのは私だけではなく、読者の多くも同様だろう。「また炎上してる」と、ネットニュースの常連になっている人物は少なくない。

しかし、その多くは、「もともとの知名度に、炎上要素が掛け合わさった人物」だ。技術なりセンスなりに裏付けられて、影響力は生まれてくる。そして、こうした人物は、炎上を売りにしなくても、生き延びられるスキルや、一貫したスタンスを持っている。

一般的に「炎上で有名になった」と思われている人物も、よく調べてみると、炎上発言そのものが人気の起爆剤になったケースは珍しい。そもそも「通常運転」でファンが付いていて、そこに炎上きっかけで知った人々が加わり、ファン層が広がったに過ぎないのだ。炎上があってもなくても、遅かれ早かれ注目されていた人物であることは、往々にしてある。

わかりやすい事例が、元プロゲーマーで配信者のたぬかなさんだろう。ネット上で大炎上し、所属チームから契約解除された。しかしその後も毒舌配信者として、一貫したスタンスを取っており、逆に彼女の支持層を広げている。

炎上と言うと「人生の終わり」といったイメージを持たれやすいが、決してそうではなく、インフルエンサーなど影響力が必要な職業では、逆に、知名度アップの追い風になるケースも少なくないのだ。

最初の場に生配信を選んだのは、賢明な判断だったが…

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