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駅看板の文字「明朝体」「手書き寄り」が静かに流行 公共サインの「書体」も時代と共に変化している

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 8時30分

街の至るところで見かける公共サイン(写真:筆者撮影)

駅構内の案内板、運転中に目にする道路標識、街中で見かける看板――。これらの「文字=書体」に注目したことはあるでしょうか。

【写真で見る】「明朝体」で書かれた高輪ゲートウェイ駅舎の駅名の表示/5年で2度ロゴを変更した「バーバリー」のロゴマークの変遷

こうした「公共サイン」の文字は、すべて人の手によって作られています。そして、そのデザインは時代の流れとともに形を変えているのです。

駅舎に続々登場の「明朝体」

近年、都市部で再開発が活発に行われていますが、駅周辺も例外ではありません。

【写真で見る】原宿駅の建物外観の駅名にあしらわれた「明朝体」、香港では街のサインに明朝体に近い文字が導入。ラグジュアリーブランドのロゴに使用される書体でも同様のトレンド

東京都内では、山手線の通る駅、高輪ゲートウェイ駅が2020年に開業。一部では、駅舎の駅名の表示が明朝体であることに賛否さまざまな意見が出ていました。

書体には大きく分けて「明朝体」と「ゴシック体」の2種類があります。明朝体は、ひらがなとカタカナに毛筆で書いたようなデザインが施されている書体で、一方のゴシック体はすべての画の太さが均一に見えるよう設計されている書体です。

一般的に、駅などの公共サインは、遠くから見ても視認性の高いゴシック体で表記されていることがほとんどです。しかし、高輪ゲートウェイ駅ではあえて明朝体が採用されたため、議論を呼びました。

同様に、原宿駅も2020年に新しい駅舎に生まれ変わりましたが、建物外観の駅名に明朝体があしらわれています。

ここで面白いのは、建物の外側に大きく明朝体の駅名が掲げられているのに対し、駅構内に足を踏み入れるところ(写真左下)には、太文字のゴシック体が使用されている点です。

さまざまな制約やデザイン的側面から、現在の見え方に落ち着いたことが想像できますが、明朝体はある種シンボリックな役割を果たす存在として、そしてゴシック体は機能面に特化して扱われていることが考察できます。その顕著な例がこの原宿駅の一枚の写真に集約されています。

「明朝体ブーム」の背景

これらの駅で明朝体が使用された背景には、昨今の静かな「明朝体ブーム」があります。

もともと明朝体は新聞や文庫本など限られた範囲で使われ、堅い印象を持たれがちでした。しかし昨今では、柔らかさやノスタルジックさが見いだされ、使用の場が広がっています。

高輪ゲートウェイ駅や原宿駅に見られる明朝体の使用例もこのトレンドの中で起きているのかもしれません。

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