超リアル「シミュレーター界隈」最新技術と活用法 クルマ開発で求められる「再現性」と見える化
東洋経済オンライン / 2024年8月22日 15時0分
実感としては、“本物のクルマを操っているよう”だった。
路面の状況に関するデータも自動車メーカーなどから提供されているため、実際はタイヤが未装着で宙に浮いている状態なのに、路面との設置感があり、実車のようなG変化を全身で感じ取ることができるから驚きだ。
ビジネスは「シミュレーターそのもの」ではない
とはいえ、S&VLの事業は、こうした機器を販売することが主な目的ではない。
「性能開発のプロセス構築から、実車相当の車両モデル開発、車両OEM品質の実走行実験までのワンストップ・ソリューションの実現」を目指すとしている。
近年、欧米や中国では、専門性の高い最新技術に特化した、自動車メーカーと直接の資本関係がない、独立系のテクニカルサポート企業が増えてきている。
同社を設立したプログレス・テクノロジーズグループは、2005年の創業以来、こうした領域での事業展開を進め、2022年6月から最新型ドライビングシミュレーターを使ってリアルとバーチャルを融合する、いわゆる“デジタルツイン”のサービスを始めていた。
S&VLを率いる村松氏は、大手自動車メーカーでのエンジニアリング経験を踏まえて、量産車開発において「日本メーカーはいまだに実車主義の傾向が強い」と指摘する。
欧米や中国の開発現場では、デジタルツインをフル活用した開発手法が急速に進んでいる一方、日本では特にドライビングシミュレーションの分野で後れを取っており、いまも実車での走行が主体だという。
S&VLにとっては、「だからこそ日本でビジネスチャンスがある」といえるのだ。
今回は施設開設の式典も実施され、自動車メーカー各社の関係者も参加。そのひとりは「ドライビングシミュレーター(の活用方法や評価基準など)はいま、各社で手法が違うようだ。今後はメーカー間での協調領域についても、議論されるようになればよいのではないか」という私見を示した。
また、式典には群馬県の山本一太知事と、太田市の清水聖義市長が来賓で出席していた。
山本県知事は「群馬県はデジタル技術関連事業を応援しており、(本件が)デジタル人材の育成に寄与することを願う」と県内の新規事業拡大への期待を示す。
その後、清水市長とともにドライビングシミュレーターの操作体験をそれぞれで行い、両者はそのリアリティの高さに驚いていた。
EV性能の“見える化”を行うAVL
量産化開発でのシミュレーションで、別の観点での視察も行った。欧州オーストリアを本拠地とするAVL(エイヴィエル)日本法人のテクニカルセンター内でのことだ。
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