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大企業ほど社長の「言葉が軽くなる」根本理由 「今の会社にとどまる」とヤバいかも・・・

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 9時0分

一方、「仕事をしない社長」が増殖を続けている。

考えてみれば、「社長」になることは、社員になるよりも簡単かもしれない。

就職活動をする必要もない。会社を作ってしまえばいいだけだ。資本金は、かつては1000万円必要だったが、今は1円で済む。設立にかかる費用も20万円程度。要するに、ちょっとカネがあれば、社長になれるわけだ。

2代目ともなると、もう何も考えずに、できあがった会社が与えられ、顧客までついてくる。

「でも、大企業の社長はすごいのではないか」

そう思う人もいるだろう。確かに、学歴も高いし、話している内容も理路整然としている。社長になるまでにも、長い出世レースを勝ち抜いている。

「目立たない」「ゴマすり」でトップに

だが、そういうみなさんは、実際に大企業の社長とじっくり語り合ったことがあるだろうか? 実際のところ、自分が働いている会社が「大企業」だった場合、社長と1対1で話し込んだ経験がある人は少ないかもしれない。

私は仕事柄、かなりの頻度で企業トップと1時間を超えるインタビューをしてきた。

そうして私が実感していることは、大企業ほど、トップの言葉が軽いという現実だ。自分で考え抜いた言葉ではないから、少し質問すると、答えに窮することになる。結局、流行の経営用語や、業績の目標数値を並べているだけなのだ。

なぜそうなるのか。おそらく、大企業ほど、仕事を無難にこなすことが求められる。数多くの同期たちとの出世レースを勝ち残るには、言われたことに逆らわず、黙々とぞうきん掛けを続けること……。

つまり、大企業の社長は、目立ったことをせず、上司への「ゴマすり」を続けた結果と思われる人物であふれている。

彼らには、新しいことを作り出す能力はないので、ひたすらリストラで利益を出そうとする。それが、リスク回避をしながら出世街道を生き残る確実な方法なのだから。

どうだろうか。「社長」の実像が見えてきただろうか。

で、日本の260万の法人に「社長」がいるわけだ。何社かを兼務しているケースもあるが、それを除いたとしても、相当数の「社長」が世の中に存在している。

この社長たちの「仕事ぶり」は、実際のところどうなのだろうか。

通常、我々が目にする「社長」は、ニュースに出てくるような大企業のトップが多い。だから、それなりの人物に見える。仕立てのいいスーツを着て、身だしなみも整っている。

だが最近では、経営トップがセクハラで何代も続けて辞任するような破廉恥なケースも見られる。

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