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総裁選「コバホーク」小林氏の背後にちらつく影 弱点も目立つ「超エリート保守派」に期待と不安

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 18時30分

小林氏は8月上旬のインターネット番組で、処分された安倍派議員らが要職から除外されている現状を巡り「処分を受けた方も一人一人は優秀だ。挙党一致で取り組まないと国難を乗り越えるのは難しい」などと述べていた。このため出馬会見で改めて見解を問われると「要職を外れた方を元に戻すとは一切申し上げていない。処分されていない議員で役職を外されている方がいるので、国民の一定の理解を得られた時点で適材適所の人事を行うことが大切だという趣旨だった」と述べるなど軌道修正を余儀なくされた。

また会見参加者からの「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側と親密な関係ではないのか」との問いには、かつて教団関連のイベントに出席した事実を認めたうえで「軽率だったと反省している。選挙支援の依頼や金銭のやりとりはなく、今後関わりを持つつもりもない」と強調したが、応答には歯切れの悪さが目立った。

出馬会見で高らかに「脱派閥」をアピールした小林氏だが、自身は二階派に所属し、出馬表明にあたっては、裏金事件の責任をとって次期衆院選への不出馬を表明した二階俊博元幹事長にも報告したとされる。会見後に出演したフジテレビ系『Live News イット!』で「派閥のボスと決別できるのか」と問われた小林氏は、「今やるべきことは、後輩から大先輩に至るまですべての人材の能力や経験を結集して、自民、日本の課題に向き合っていくということだ」とやや苦し気な表情でかわした。

小林氏の一連の言動に、安住淳・立憲民主国対委員長は19日の記者会見で「小林氏の会見に派閥から裏金を受け取っていた議員が複数同席していた。裏金議員ロンダリングになってはならない」と批判。その一方で自民内からも「安倍派をかばっちゃだめだ。自民党はあの人たちのせいで迷惑をこうむっているんだから」(茂木派若手)と小林氏の姿勢を疑問視する声が相次いだ。

裏金問題での対応に「若いのに残念」と橋下氏

そうした中、出馬表明後の小林氏は各種メディアから“引っ張りダコ”となり、連日連夜、民放の情報番組やネット番組で自らの目指す国家像やそのための政策を説明する一方、普通の家庭に育って東大ボート部ではキャプテンを務め、その間に父親の事業の失敗で生活に苦労したことなど、“自分語り”で視聴者に好印象を与えようとしているように見える。

ただ、表向き盛り上がったかに見えた出馬会見も、実際に取材した記者団らの間では、「わざとらしい演出も多く、肝心の政策も理想論ばかりで、しかも背後に財務省の影が垣間見える」(夕刊紙幹部)と厳しい指摘が少なくなかった。同会見は冒頭部分をNHKが生中継したが、途中でNHK政治部の解説に切り替わったため、多くの視聴者はネットでの生中継にシフトするとみられたが、案に相違して「ネットでの視聴者数はほとんど増えず、視聴者の書き込みも厳しいものが多かった」のが実態だ。

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