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「やる気ない人」動かす"ニンジン"のぶら下げ方 松丸亮吾は「1日3時間の勉強」で東大に進学

東洋経済オンライン / 2024年8月23日 16時0分

ヒント:お母さんは、ゲームをやることは禁止しませんでした。

答え:「勉強を3時間やったら、いくらでもゲームをしていいわよ」

実は松丸さん、何をやっても優秀だったお兄さん(メンタリストのDaiGoさん)への対抗意識から、小学生のときに「東大へ行く!」と宣言したことがあったそうで、受験して第1志望の中学校に入学。しかし、中学に入ってしまうと、宣言とは裏腹にゲーム三昧の日々に。

そんな自分に勉強をさせたお母さんの言葉について、松丸さんはこう回想しています。

「この設定が絶妙だったんです。母親は、やりたいことを人質にしたほうがいいって考えたんです」

これ、よく聞くのは、「ゲームは1日2時間までよ!」と、ゲームをやる時間を制限してしまう親です。でも、これだと、ゲームを2時間やったあとで、勉強をやるとは限りません。もしかしたら、漫画を読んでしまうかもしれない。

ですから、松丸さんのお母さんは、勉強を前に持ってきて、ゲームを後にしたんですね。これなら大好きな謎解きゲームをやるために、勉強しないわけにはいきません。

3時間勉強すれば、あとはいくらゲームをやっても文句を言われないのですから、「馬の目の前にニンジンをぶら下げている状態」。

この母親の策略にまんまとハマった松丸さんは、大好きな謎解きゲームをやりたいために、毎日、3時間の勉強を実行。もともと物覚えがよかったこともあって、成績はグングン上がったのだそうです。

高校2年生の冬に亡くなった母の日記

勉強嫌いだった松丸さんが、東大に合格することができたのには、もう1つ、やる気となった出来事がありました。

それは、お母さんが亡くなったこと。

「勉強を3時間やったら、いくらでもゲームをしていいわよ」と、松丸さんのやる気を引き出したお母さんは、松丸さんが高校2年生の冬に亡くなってしまいます。

その遺品を整理しているときのこと。松丸さんは、お母さんが残した日記のなかに、次のようなひと言を見つけてショックを受けたのです。

「亮吾が東大に受かるところが見てみたい」

お母さんは、小学生のときの松丸さんの宣言を覚えていて、楽しみにしていたのです。このひと言を見つけたことが、松丸さんにとっては、本格的に「東大に行こう」と決心するきっかけになりました。

結果、冬の学力テストでは、校内全体300人中298位だった順位が、春に猛勉強し、次の全校テストでは、校内順位が7位にまで上がったのです。

人間、本気でやる気になると、とんでもない力が出るもの。おかげで東大に合格した松丸さん。世に出るきっかけになったのは、「東大の謎解き超人」という称号でした。

お母さんが残してくれた日記にあったひと言が、現在の松丸さんをつくったのです。

ポイント:人に動いてもらう最もよい方法は、ご褒美をエサにすること

西沢 泰生:作家・ライター・出版プロデューサー

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