1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「なぜ辞めるの⁉」驚く上司が知らない部下の本心 部下の離職の理由は「たった4つ」に分類できる

東洋経済オンライン / 2024年8月23日 8時0分

このうち⑦~⑨、⑪~⑫は現場の問題とは関係のない離職であり、⑩と⑬は詳細が不明であるため、ここでは①~⑥を考察の対象とします。

離職の原因は「4つの欲求」に分類できる

これらの離職理由を分析してわかったのが、社員は人間が根源的に抱く4つの欲求が満たされず、そして今後も満たされないだろうと感じたときに離職を考えるということです。

欲求の分類でいえば、エイブラハム・マズローの「欲求段階説」が有名ですが、アメリカの心理学者クレイトン・アルダファーは、欲求段階説を現場でより活用しやすくするため、それをさらに発展させた「ERG理論」を提唱しました。

ERG理論では、人間は「生存欲求」「関係欲求」「成長欲求」という3つの根源的な欲求を抱くとしています。

生存欲求とは、食べ物や安全な環境を求め、安心・安全に生きていきたいという欲求です。ビジネスにおいては給料や労働環境が関係します。

関係欲求とは、良好な人間関係を築き、人から認められたいという欲求です。

成長欲求とは、苦手を克服し、創造的、生産的でありたい、自らの可能性や才能を発揮していきたいという欲求です。

経営改善の現場では、シンプルなもののほうが活用しやすいため、私は欲求段階説ではなく、ERG理論を用いています。

欲求は「私欲」と「公欲」に分けられる

また、人間の欲求は「私欲」と「公欲」に分けられます。

私欲とは自分がいい思いをしたいという欲求です。ERG理論の生存欲求、関係欲求、成長欲求は、いずれも私欲に含まれます。

一方、公欲とは人に喜んでもらいたい、人や社会の役に立ちたいという欲求です。

離職の原因について調べてわかったのが、この「生存欲求」「関係欲求」「成長欲求」「公欲」のいずれかが満たされないことが離職の原因となっているということです。

先に私が列挙した離職理由も「結婚、育児、介護など家庭の事情」を除き、この4つの欲求に関連するものです。それを当てはめると次のようになります。

・上司や同僚との関係が良くなかった(関係欲求)
・自分が望むスキルや経験が得られないと思った(成長欲求)
・このままこの会社にいても成長できないと思った(成長欲求)
・会社や業界の将来に不安を感じた(生存欲求、成長欲求)
・仕事が面白くなかった、やりがいを感じられなかった(成長欲求、公欲)
・新たな挑戦をしたかった、自分の可能性を試したかった(成長欲求)
・人や社会の役に立っている実感を得たかった(公欲)
・給料や労働環境に不満があった(生存欲求)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください