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活動休止・目黒蓮「月9の重責」が示す俳優業の未来 指針となるのは、旧ジャニーズの"演技派先輩"

東洋経済オンライン / 2024年8月23日 14時30分

目黒さんにとって父親役は初めてであり、「子どもと対峙するシーンが多い」というだけで難しさがありますが、しかも今回の役は普通の父親ではありません。

夏は大学時代、水季から中絶同意書の署名を求められて応じたという罪悪感を抱えていました。自分の子どもが生まれていたことすら知らなかったため、父親としての自覚がまったくない状態。

しかもその子どもは乳児でも幼児でもなく、すでに小学生になっていたため、なおさら実感が湧かないのでしょう。もちろん夏は子育てをしたことがないため、目の前にいる6歳の少女にどう接したらいいかまったくわかりません。

それどころか、海と接するたびに「なぜ水季は7年間も知らせてくれなかったのか」「どんな7年間だったのだろう」などと考えてばかり。ただそれでも純粋に自分を慕ってくれる海の姿から、少しずつ親のような感情が芽生えていきます。

夏は口数の少ないタイプだけにセリフに頼ることができず、目黒さんに求められているのは、表情や佇まいなどによる繊細な感情表現。

さらに夏には「嫌いで別れたわけではない元恋人が亡くなったというショック」「現恋人の弥生にどう伝えればいいのか」「水季の両親や彼女を支えた同僚にどう接したらいいのか」「自分が父になろうとする一方で、実父・溝江基春(田中哲司)とはどう向き合えばいいのか」など、とにかく戸惑うシーンが多く、それぞれの感情の違いを演じ分けるのが難しいのです。

しかも同作を手がける生方美久さんの脚本は『silent』『いちばんすきな花』がそうだったように良い意味で超スローペース。飽きられないためにハイテンポで物語を動かしていくドラマが多くを占める中、生方さんの脚本はたっぷり時間をかけて心の機微を丁寧に描き、感情がグラデーションのように少しずつ変わっていく様子を描いています。

実際ここまで8話が放送されましたが、主な流れを見ていくと、第1話で夏と海の出会いが描かれ、第2話で夏が弥生に海の存在と経緯を告白。第3話は海が夏に母を失った悲しさを初めて吐露することができ、第4話は弥生が夏に中絶の過去を告げました。

第5話では夏の家族に海の存在を伝え、第6話では夏が水季の周辺人物に会いに行ったほか、彼女と弥生の知られざる縁が発覚。第7話は水季に対する同僚・津野晴明(池松壮亮)の切ない思いが明かされ、第8話は夏と実父が対面する様子が描かれました。

他のドラマならおそらく3~4話程度の内容を8話かけて丁寧に描き、それでいて人間模様はむしろ濃いため、演じる主演俳優の負担は倍以上と言っていいでしょう。しかも目黒さんが対峙する俳優たちは業界屈指の演技派ぞろい。

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