活動休止・目黒蓮「月9の重責」が示す俳優業の未来 指針となるのは、旧ジャニーズの"演技派先輩"
東洋経済オンライン / 2024年8月23日 14時30分
そんな期待値の高さを裏付けているのが、全12話という放送回数。村瀬プロデューサーが「近年の連続ドラマとしては非常に珍しいケース」と語っているように、現在は10話がベースで、少なければ9話、多くても11話だけに、12話であることの公表は期待や自信の裏付けと言っていいでしょう。
9月23日の最終回はすでに他局が改編期特番を放送している連ドラにとって厳しい時期ではありますが、「それでも勝負になる」とみられているのです。
「普通の人」から振り幅が広がる
では『海のはじまり』の主演を務めることで目黒さんの俳優業にはどんな未来が考えられるのでしょうか。
『海のはじまり』のような心の機微を描いた作品、しかも説明的なセリフに頼れない作品で主演を務め、評価を得られたら、間違いなくオファーの役柄の幅は広がるでしょう。
また、月岡夏がどこにでもいる28歳の会社員であることもポイントの1つ。「面倒なことや頭を使うことを避けるように生きてきたため、特に大きな挫折を経験したことがない」という性格も含め、“普通の人間”を演じたことで「イケメン俳優」「アイドル俳優」というレッテルを貼られたり、視聴者のバイアスがかかったりというケースは減るはずです。
逆に、天才、変人、悪人、謎多き人物などの普通ではない役柄を演じるときは、振り幅の大きさとして見てもらいやすくなり、さまざまな職業や立場、あらゆる才能やスキルを持った主人公などのオファーが届き、評価もされやすくなるでしょう。
事務所の先輩で言えば、キャラクターや見た目こそまったく異なるものの、1つの指針になりそうなのが草彅剛さん。
連ドラ初主演作『いいひと。』(カンテレ・フジテレビ系)がそうだったように当初は普通の人を演じるのがうまい俳優でしたが、徐々に振り幅の大きい普通ではない人のオファーが増え、アイドル出身であることを忘れさせる「名優」というポジションに登り詰めました。
真面目すぎるほど作品や役柄に向き合う姿勢や、セリフに頼らず表情や佇まいで演じる演技スタイルなども含め、意外に共通点が多い気がするのです。
俳優とアイドルの両立を目指す日々
日本の連続ドラマは視聴率獲得やスポンサー配慮などの観点から「実力先行」ではなく「キャスティング先行」で制作されることが多く、今なお「一定以上の人気があることが主演俳優の必須条件になっている」という感は否めません。
しかし、情報量が増え、配信コンテンツが充実した現在の視聴者はそれで満足せず、実力先行のキャスティングを望むムードが高まっています。
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