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一風堂や山頭火が頼る「製麺企業」の波乱なドラマ 稲盛和夫さんから教えてもらった大切なこと

東洋経済オンライン / 2024年8月24日 10時0分

欧州工場の統括責任者で、2000年代のアメリカ本土進出時からサンヌードルに勤める澤川啓介さんは、「ヨーロッパはアメリカのラーメン市場に比べると8〜10年遅れている印象。日本食メーカー、飲食店出店を目指すオーナーにとって、開拓余地の大きさを感じる」と話す。

サンヌードルの工場は、挑戦者のサポート拠点になるだろう。

1食売っても利益が10円にも満たない世界

製麺会社の事業は、生麺1食を売って利益が10円にも満たないような世界だという。「初めてビバリーヒルズの高級住宅を見た時には、ラーメンの小さな利益では一生買えないだろうなと思ったことがある」と夘木さんは懐かしそうに語り、こう続けた。

「決して、大金持ちになりたくて規模を大きくしているわけではありません。稲盛さんが説いたように、創意工夫があるからやるべきことが増えて、人を増やし、また工夫して。その追いかけっこがずっと続いている感じです」



コロナ下で迎えた創業40年目の2020年、夘木さんは息子の健士郎さんに社長を引き継いだ。妻の恵子さん、娘の久恵さんも経営の中核を支える。稲盛氏に出会った14年前に35人だった従業員は現在303人、売上高は非公表だが、会社が支払う年間給与総額は約1200万ドル(約18億円)の規模になった。

稲盛和夫氏の逝去から3回忌を迎えた。「ハワイのサンヌードル」は「世界のサンヌードル」へと着実に階段を上る。稲盛式「商人道」の国際競争力が試される実践でもある。夘木さんの仕事は、これからが本番だ。

座安 あきの:Polestar Communications社長

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