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ドラッグ店ゲンキーが地方スーパーを倒せる理由 「売れなくても持続可能」、人口減少に強い仕組み

東洋経済オンライン / 2024年8月25日 10時0分

ゲンキー(写真:編集部)

最近はドラッグストアといっても、マツキヨココカラのような王道のドラッグストアもあれば、売場の半分以上が食品売場のコスモス薬品、クスリのアオキといったフード&ドラッグといったタイプもある。ドラッグストアというくくりは共通だが、同業とは思えないほどに多様化している。

【画像でわかる】食品が約7割!ゲンキーでは何を売っているのか

経済産業省の業態分類では、さまざまな商品をセルフサービスで提供するスーパーマーケットのうち、食品売上比率が7割以上、店舗あたりの売場面積が250㎡以上のチェーンを「食品スーパー」と規定している。

食品の売り上げの割合を毎年増やし、来年にはドラッグストアで、かつ、食品スーパーにも該当しそうなチェーンが、福井県発祥のフード&ドラッグ、「ゲンキー」である。

食品が売り上げの約7割を占めるゲンキー

ゲンキーの商品別の売上構成は食品が約7割、次いで雑貨が12%であり、ドラッグストアの本来の中心商材、化粧品は10%、医薬品は8%しかない。これだけをみたら、ドラッグストアだとはとても思えないほどだ。

実際、この会社が戦略としてIR資料で示しているのは、食品ディスカウントストアとしての先端的な取り組みだ。

戦略の概要を頭出ししてみると、

1.来店頻度・買い上げ点数向上

①プロセスセンターによる精肉、惣菜の自社製造

②惣菜、ベーシックアイテムの拡充

③青果の鮮度UP

④飽きさせないバラエティ売場

⑤プライベートブランド(PB)の充実でPB比率3割超へ

2.ローコストオペレーション(売場300坪タイプによる標準化、セルフレジ化、カテゴリー納品……)

3.高速多店舗出店

といった項目が並んでいる。

チェーンストア理論の徹底による小型ディスカウントストアチェーンの実現を目指していることが、明確にうたわれているのだが、その成果は業績にも現れている。売上高、収益ともに右肩上がり、順調に成長しているのである。

郊外型としては小ぶりなサイズで多店舗展開

ざっくり言ってしまえば、ゲンキーの戦略はこうだ。

これまでの検証の結果、食品、生活雑貨、化粧品、医薬品を詰め込んだ、生活必需品をワンストップで買える300坪(約1000㎡)の「レギュラー店」が、最も効率よく収益確保できるフォーマットであることが判明した。この店舗をプロセスセンターや物流センターを軸としたインフラで支えて、高速で多店舗展開していく、というものである。

ちなみにこの1000㎡というサイズ、一般論で言えば、現在の郊外型の食品スーパー、フード&ドラッグの勝ち組サイズ(1500~2000㎡)としては、かなり小ぶりであり、地域一番店になるためには、品ぞろえで負けるサイズとされている。

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