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「メンタルを病む60代」「余裕ある60代」の決定差 人間関係に悩む中高年を救う空海の教えとは

東洋経済オンライン / 2024年8月25日 7時0分

ある女性が話してくれました。娘さんが小学生のときにPTAの付き合いが大変だったそうです。やはりボス的ママさんがいて気を使ったり、いじめがあったりして巻き込まれてしまいました。

しかし、娘が成人した今、「あれはなんだったのか」と思うそうです。今ではそのときのママ友と付き合いはありません。自分の人生に大きく影響する出来事でもなかったのに、渦中にいるときは怒ったり落ち込んだりしていました。「今思えば、コメディですね」と話してくれました。私たちは、いろいろな人間関係に巻き込まれますが、相手を「私の人生には関係ない人」として切り捨て忘れることも必要です。

「南斗は随(したが)い運(めぐ)れども、北極は移らず」(『秘蔵宝鑰』)という空海の言葉があります。北極星は動かない星です。昔の人は北極星を探して自分の位置を確かめました。南斗は北極星より南にある星で、季節とともに動いていきます。人の言葉や感情に巻き込まれないで、北極星のように「ぶれない心」をもって自分の人生を歩んでほしいと思います。

断るのが下手な人がいます。Uさんは、地域の活動をしているうちにだんだんと役職を任せられるようになりました。地域の祭りの事務局責任者やらマンションの管理組合の理事長やらをしています。

人の好いUさんのことですから、マンションで倒れたお年寄りがいれば、様子を見に行ったり、住民の苦情を受けたりしていました。疲れも溜まっていたのでしょう。めまいを起こすようになり病院へ行くと、メニエール病と診断されました。休養が必要だとのことで、あらゆる役職から下りて休みました。

役職を下りて思ったことは、「自分ががんばらなくても世の中はまわっている」ということです。少し淋しい気持ちもありますが、時間にゆとりができたことで自分自身のために映画を観たり、本を読んだり、若いころの趣味が復活したそうです。

人間関係はほどほどにしないと…

私たちは仕事でも地域でも、人間関係の波にのまれてがんばってしまうことがあります。忙しいことは、自分が役に立つという喜びや充実感もあるので悪いことではないのですが、ほどほどにしないとストレスが溜まります。気がつかないでいると病気になって、体が緊急停止を命じるのです。義理人情に厚い真面目な人がうつ病になることも少なくありません。

義理人情が薄くなった時代とは言われますが、まだまだ義理にとらわれている中高年は多いようです。昔は、バレンタインデーに義理チョコなどというものが盛んにやりとりされていました。

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