タブレットに"子守"を任せると何がマズいのか 今の時代の子育てにおいて、親に必要となる知識とは
東洋経済オンライン / 2024年8月26日 10時0分
そのため、この時期にタッチパネルを眺めている時間が長すぎると、親やほかの子どもたちとの遊びなどを通じて、その時々の状況を理解し、判断し、行動することを学ぶ機会を逸してしまう可能性がある。人との関わり合いの中で怒りやフラストレーションを効果的に制御する能力を身につけることは、後年の日常生活においても重要なことだろう。
もちろん、スマートフォンやタブレットで使える素晴らしい知育アプリもたくさんあり、いろいろなことが学べる機会ももたらしてくれる。だが、子どものメンタルヘルス改善を支援する非営利団体チャイルドマインド・インスティテュートの心理学者キャスリン・キーオ博士によれば、親や兄弟と一緒に遊んだり、公園や庭などのリアルな環境で身体を動かし、自然や生き物に触れたりするほうが、アプリに頼るより幼児にはいい影響を与えるとのことだ。
では、保護者の立場から、幼児がスマートフォンやタブレットに頼りすぎないようにするにはどうすればいいか。キーオ氏は、いくつかの対応策を提案している。
タブレットに頼らないようにするには
子どもにとってタブレットの画面は親が思う以上に刺激的だ。ぐずったりしていても、タブレットを渡すとたちまち静かになったなんて場面を私も幾度か見た。しかし、そうした対処をしていると幼児が感情の制御をうまくできないまま成長し、将来的に社会生活のなかで困難な状況を招く可能性が高まるそうだ。
1日あたりのタブレット使用時間を決めるのも重要だ。フィッツパトリック博士の研究報告では、タブレットの使用時間が1日1時間(親とともに良質な教育番組を視聴)以下の子どもには、怒りの感情の増加などといった悪影響は見られなかったとされる一方、1日の使用時間が73分を超えた幼児は、感情が爆発する機会が大きく増加したという。
タブレット使用時間をしっかりと守らせれば、子どもはタブレットに依存せず、ほかの遊びや何かで時間を過ごすようになるはずだ。まだ言葉が話せないほどの幼児の場合は、普段からタブレットを子どもの目に入らない場所に置いておくのが効果的だとキーオ氏は述べている。
タブレットを与えてもらえないことで幼児が感情をあらわにするような場合は、それを言葉にして伝えるのがいいという。例えば「イライラしているみたいだね」などと会話のなかに子どもの感情状態をそれとなく含めて伝えるようにする。少し話して落ち着きそうなら、一緒に深呼吸をしてみるのもいいし、それが感情を抑制する練習にもなるそうだ。
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