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タブレットに"子守"を任せると何がマズいのか 今の時代の子育てにおいて、親に必要となる知識とは

東洋経済オンライン / 2024年8月26日 10時0分

もし、感情を爆発させる子どもに対して大人の側もついつい感情をあらわにしてしまう場合は、まずは自分が冷静になり、なぜそのようになったかを子どもに伝え、親として否定的な反応をしたことについて「ごめん」と言葉にして謝る。もちろん、親の言うことを聞いて落ち着くことができた子どもには、そのことを肯定する言葉をかけてあげることが大事だ。

キーオ氏は、タブレットを取り上げられた子どもが大声でわめき散らすようなことがあっても、制限時間を決めていることを思い出させるように冷静さを保ちつつ伝えられれば、やがてはそれを理解し受け入れるようになると述べている。子どもがぐずる場合の対処方法を前もって想定しておくのもいいかもしれない。

タブレットを使ってもいい時間が終われば、保護者もしばらくのあいだタブレットや自分のスマートフォンを使う姿を子どもに見せないようにしたい。可能ならば、子どもだけでなく親もタブレットやスマートフォンをどのようにして使うかを、あらかじめ取り決めておくといいとフィッツパトリック博士は提案している。

そして、皆がタブレットやスマートフォンを置き、家族みんなで一緒に遊んだり、何かに取り組む時間を毎日できる限り増やすことだ。たとえ10分たらずであっても、親が子どもと一緒になって遊ぶ時間を持てば、その家庭で家の中にある道具の使いかたを学んだり、ごっこ遊びや童話の読み聞かせなどで会話の仕方を学び、ボキャブラリーの充実を促すといった効果が得られる。子ども自身の創造力や遊び心も育まれていくことだろう。

幼児期を過ぎても長時間使用は避けたい

「脳トレ」ゲームで知られる東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授らは、小中学生を対象にした研究で、スマートフォンやタブレットを長時間使う子どもの学力偏差値が、まったく使わない子どもたちに比べて低くなる傾向があると報告している。家庭でスマートデバイスを使いすぎると、勉強をする時間が減ってしまい、勉強における集中力を養ったり、睡眠時間を確保するのが難しくなることが関係しているようだ。

10代にもなれば、自分専用のスマートフォンを買い与えられるようになり、子どものほうが保護者よりもその扱いに詳しくなることもしばしば。しかし、動画サイトでどんなコンテンツを見るべきか、また避けるべきかや、SNSなどを通じてコミュニケーションする相手に対し、どのような注意をすべきかといった話し合いをしておいたほうがいい。

iPhoneやiPadの場合はスクリーンタイム機能、AndroidデバイスならDigital Wellbeing機能を使い、子どもがタブレットやスマートフォンを使う時間を管理・把握できる。これらの機能をきちんと使いこなすには、保護者にも少なからずスマートデバイスについての知識が求められるのだが、現代の子育てにおいて、習得しておくべきことかもしれない。

タニグチ ムネノリ:ウェブライター

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