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「中国AI」はChatGPTを超えるか?驚く実態(後編) 【現地からの報告】「中国AIの本丸」はここだ!

東洋経済オンライン / 2024年8月26日 9時32分

中国に間違いなく大きな優位性があり、それがAIと結びつくことによって、さらに価値を最大化させていく領域があります(写真:cassis/PIXTA)

実は中国はAIの論文数および特許数において世界最多を誇る。

中国がアメリカと並ぶAI大国であることに異論はないだろう。

ところが、中国AIの「本当の」現状を把握するのはなかなかに難しい。

理由は2つ。ひとつは、中国国内のネットユーザーは、グレートファイアウォール(金盾)によって、ChatGPTなどの海外のAIサービスを使用できないこと。

そしてもうひとつが、海外のユーザーも中国のAIサービスを使用するには、中国国内の電話番号を持っていないと使用できないケースが多いことにある。

そのために、AI大国である中国のAIの現状が、内側からも外側からも正確に捉えられていないというわけだ。

そこで、北京でインターネット広告会社を4年間経営し、北京大学MBAにも通う岡俊輔氏が、「中国AIのリアルな現在地」の実像に迫ったレポートをお届けする。

*このシリーズの1回目:「中国AI」はChatGPTを超えるか?驚く実態【前編】

*このシリーズの2回目:「中国AI」はChatGPTを超えるか?驚く実態【中編】

「中国AIの本丸」は製造業だ

この記事の1回目(「中国AI」はChatGPTを超えるか?驚く実態【前編】)において、中国のAIとアメリカのAIは近いレベルに達しつつあるものの、半導体の質と量の差によって、まだ中国はアメリカに追いつけないでいると述べました。

【実際の画像で見る】中国の生成AIを使ってみた「驚きの結果」と「盛り上がる中国の生成AI市場」の写真

この差は、中国が国内半導体の研究と開発によって差を縮めていくでしょう。とはいえ、やはり政治的な要因が大きく作用する領域でもあるので、予測しにくいというのが正直なところです。

一方で、中国に間違いなく大きな優位性があり、それがAIと結びつくことによって、さらに価値を最大化させていく領域があります。

それが製造業です。

中国は世界最大の製造業大国であり、実にGDPの27.6%を占めています。これはアメリカの11%と比べて大きな差があり、中国自身が強みだと認識しているところです。

不動産市場がクラッシュした現在、雇用と経済を守るために改めて中国政府が重要視している領域でもあります。

今後、デジタル領域だけでなく、あらゆるものがインターネットとつながる時代に突入していきます。そういった中で、AI×製造業が中国の強みになることは間違いありません。

「自動運転が実現する日」は近い

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