「中国AI」はChatGPTを超えるか?驚く実態(後編) 【現地からの報告】「中国AIの本丸」はここだ!
東洋経済オンライン / 2024年8月26日 9時32分
顕著な例は自動車です。
日本ではライドシェアの議論がようやく盛り上がってきていますが、中国ではライドシェアがある生活はすでに日常です。
いま議論されているのは自動運転で、私の大学のクラスメイトにも、中国大手自動車メーカーの自動運転領域で働いている学生が何人もいます。
話を聞いていると、自動運転は遠くない未来に必ず実現するものだと感じています。
すでに各地域で実証実験が積極的に行われており、私が住む北京でも見かけることがあります。
最近の話題は、バイドゥが武漢に1000台の自動運転タクシー「Apollo Go(アポロゴー、萝卜快跑)」を投入したことです。
アプリで呼ぶと自動でタクシーが来て、目的地まで自動で到着します。
普通のタクシーよりも運賃が安く、車内の音楽や温度も自分で自由に調整することができます。
また、その安全性においては、保険会社のデータによると、「Apollo Go」の事故率は、人間が運転する場合のわずか1/14です。
「Apollo Go」はすでに累計1億キロ以上を安全に走行しており、重大な死亡事故は1件も発生していません。
ライドシェアによって普段の移動がとても便利な中国ですが、自動運転によって移動によるコストがさらに下がるだけでなく、「移動空間」の価値そのものが大きく変化しようとしています。
自動運転タクシーの中には自分以外は誰もいないわけで、本来パブリックな空間がプライベートな空間に変貌するということであり、それはきっと日常生活に与える影響も大きくなるはずです。これらもまさにAIなどによる技術革新の賜物と言えるでしょう。
「AI×産業用ロボットの領域」で強みを発揮
自動運転だけではありません。
ブルーカラー市場においての産業用ロボットの発展にも目覚ましいものがあります。3K(きつい、汚い、危険)な業務を代替するAIロボットの開発が急速に進んでいるのです。
先日、私も中国深圳で行われた、業務用清掃ロボットの海外進出カンファレンスに招かれて登壇し、日本進出に関して100名くらいの前で講演してきました。
そこで、新興企業からトップ企業まで、さまざまな企業の代表者に話を聞くことができました。
すでにこの領域も大きな発展を遂げており、ユニコーン企業も誕生しているそうです。
AI×産業用ロボットの領域自体は10年前ほどから存在しましたが、コロナ禍をきっかけに需要が大きく増え、中国国内だけでなく日本を含む世界でそのニーズが増えてきています。
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