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経営者は「DXへの過大期待」を今すぐ捨てるべきだ 「効果出ない」悩む経営者に"足りない視点"は?

東洋経済オンライン / 2024年8月27日 8時0分

ところが「効果算定」としては、このようなインパクトのある数字ができあがるわけです。

ということは、数字上はDXの効果が出ているように見えるものの、実際には業務効率化によるコスト削減の効果はほとんどない、ということになります。

こうした数字だけに踊らされてしまい、DXの効果や意思決定を見誤ってしまう経営者も少なくありません。

中小企業が「DXに乗り遅れている」理由

DX先進企業である大企業において効果が出ていないのに対し、中小企業ではDXへの取り組み自体が進んでいないという現状があります。

さきに、大手企業では6割から7割が全社的にDXに取組んでいると述べましたが、これに対し、独立行政法人情報処理推進機構の調査によれば、従業員が300人未満の中小企業においては、全社的にDXに取り組んでいる企業は2割程度。かなり状況は異なってきます。

DXによる効果は企業規模にかかわらず享受することができるものですが、なぜ中小企業におけるDXの取り組みが遅れているのでしょうか。

中小企業がDXに取り組まない理由として、6割から7割の企業が挙げているのが「DXに関する知識・情報の不足」「DXを統括・推進する人材の不足」です(中小企業庁の「中小企業白書」による)。

「知識・情報」も実際には「人」から得ることが多いことを考えると、結局は「人材不足」が一番の理由になるのかもしれません。

大手企業ですら苦労している「専門性のある人の採用」の難しさは改めて言うまでもありません。

外部の専門家に支援を依頼するといっても、DXを多く手掛ける(それらの中味が常に適切かは疑問もありますが)外資系コンサルティング・ファーム群、それに続く国内の大手ファームや総研なども、なかなか中小企業まで手が回りません。

中小企業を主たる顧客層にしているコンサルティング会社やシステム会社は数多く存在しますが、DXのアドバイザーとなると心もとないのが実態です。

改善すべきは「労働生産性」だ

ここで着目すべきは、中小企業がDXに取り組まない理由として「DXに取り組むメリットがわからない」という理由が3割ほどあるという点です。

DXへの理解不足や属人化された業務の多さなど、さまざまな理由が考えられますが、実のところDXに着手しない中小企業の本音は「DX(というよりかは変革)の必要性を認識していない」ということが大きいのかもしれません。

ただ、「労働生産性」を大企業と中小企業で比較すると、おおよそ2倍強の差があるという事実もあります。

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